その山を見上げて

読書と思考を積み上げていきます。

『習慣の力』から習慣が人に及ぼす影響を学ぶ

行動改善や目標達成など自己啓発的な内容について調査すると必ず遭遇する言葉があります。

それは習慣化”です。

  • 節約を習慣化して~
  • 達成のコツは習慣化してしまうこと
  • 毎日の行動を習慣化して,考える負担を減らす

そこで習慣化について調査していこうと思います。

今回は第一冊目として、世に数多ある「習慣化ツリー」の根本を担う(私見)であろう名著『習慣の力』です。

この本について
『習慣の力〔新版〕』の書影
『習慣の力〔新版〕』
著者
チャールズ・デュヒッグ
訳者
渡会 圭子
出版社
早川書房(ハヤカワ文庫NF)
発行日
2019/07/04
※書影は出版社公式サイトより引用
目次

私的要点

  1. 1

    悪い習慣を排除し、良い習慣に置き換える

  2. 2

    小さな習慣がやがて大きな変革へとつながって行く

  3. 3

    人間社会の動向もまた人間一人一人の習慣の集合体であるということ

所感メモ

本書の内容は簡単に言えば習慣の特性と習慣の影響力の大きさを理解し、良習慣を身に着けようというものかと思います。

本全体を通して習慣にどれほどの力があるかに触れることとなりますが、特に感じることは『エッセンシャル思考』とも共通しますが、人間が自分の意志で行動を変えるのはとても難しいということです。

  • 悪習慣にとらわれ苦しむ人の例
  • 組織の習慣によって大事故が発生した例
  • 習慣の力を逆手に取りヒット商品を作り出した例

こういった内容が数多く収録されており、自身で何かの習慣を身に着けたいというような場面に限らず、人間の認知や行動の特性を知るという目線から見ても一読の価値がある名著であることに間違いはないでしょう。

既に世界的に有名な本ですので、習慣のループキーストーン・ハビットというような内容は実際に読んで学んでもらうとして、「自由意志」に関する記述を取り上げ少しだけ考えてみようかと思います。

習慣と自由意志

本書では、脳の一部を損傷したことで、新しい出来事を記憶できなくなった人物の事例が紹介されています。
詳細な状況説明は本書に譲りますが、ここでは結論に関わる部分だけを取り上げます。

この人物は、意識的な記憶や判断に大きな制限がある状態でも、日常生活の中で一定の習慣化された行動を繰り返すことはできていたといいます。

このことから、習慣というのは脳の部位としては自分自身の”自由意志”とは全く関係ない部位が働いているのではないかということが述べられています。

だからこそ、世の成功論では目標達成のために行動を起こすにあたり”習慣化”することを推奨しているわけなのでしょう。

自分の自由意志(を司る脳の機能)で行動を起こそうとすると

  • スマホを触ってしまう
  • YouTubeSNSを開いてしまう
  • 関係ない掃除を始めてしまう

といったような誰しも身に覚えのある代替行動に逃げてしまい、達成できなくなってしまう。そうった結末が待っていますし、誰しもそういった経験はあるでしょう。(もちろん私もです)

だからこそ、脳の違う部位を働かせ”習慣の力”で自動的に行動を起こそうという結論になる。それが現在人類が取れる成功のための最適解ということでしょうか。

では、人間の”自由意志”は全くの無力なのか?というとそうでもないようです。

信じること

何だかスピリチュアル的な響きも感じますが、悪習慣からの脱出と良習慣の獲得には信じることが大きな影響を与えるという内容も書かれています。

もしあなたが変われると信じるなら───「変われると信じる」のを習慣にすれば───変化は現実のものとなる。それが習慣の力だ。

つまり習慣とは、「自分が選んだものである」と気づくことだ。

『習慣の力〔新版〕』P.380より引用

自分自身が自由意志で取れる行動としては、習慣の性質を理解して「自分が習慣を身に着けようとしている」ことを認識し、身に着けられると信じることである、というわけです。

自分自身の習慣に関する”メタ認知”と獲得することにより、

  • 自分が悪習慣にのまれそうになっている
  • 自分が良習慣を身に着けようとしている

という状況を把握しておくことが自由意志が習慣に介入できる唯一の方法であるということでしょうか。

まとめると

  • 脳からすると”習慣”と”自由意志”は別部位の運動
  • 自身の習慣に対するメタ認知を獲得する
  • 信じることが習慣に干渉する唯一の方法か?

この内容をどう生かすか

この本は、もちろん習慣改善に関する記述も整備されており、実践的な側面も存在しています。

ただ、私自身はどちらかというとタイトルでもある習慣の力とその性質を学ぶために本書を選びました。

本記事の冒頭で「習慣化ツリー」という言葉を使いましたが、その理由はこの本を根本として習慣化に関する本が数多く存在するためです。(例としては『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』(Atomic Habits)などは明確に本書に言及しています)

それを踏まえますと、本書は”習慣化”の体系を学ぶ上で最初に読む本として考えても大変価値があるでしょう。

本書で習慣の力と性質を知る

より実践用の本を積み上げる

習慣化に関する私見をまとめる

私はこれからこの流れで引き続き”習慣化”について少しずつ学んでいこうと思っています。

関連する読書メモ

・『エッセンシャル思考』

エッセンシャル思考の獲得方法として、習慣化を利用します。
また、”自分の意志による行動改善の困難さ”が本書のボリュームからも、うかがい知ることができます。

bookandthink.com

気になった言葉

後日調査したらリンクを追加予定です。

  • メタ認知
  • キングス・クロス火災(直接取り上げた本は存在していないかも)

ひとこと

先述の通り、あくまで導入の1冊程度の考えで手にしましたが、習慣に関する事例集として大変面白く通読することができました。

ぜひご自身でも読んでみてください。