その山を見上げて

読書と思考を積み上げていきます。

『「原因と結果」の経済学』── "因果関係”と”相関関係”を見分ける

”因果”や”相関”と言って、説明できるでしょうか?

直観的にはわかりますし、言葉としては使ってしまいがちですが、具体的に説明できないことに気づきました。

また、それらを明確に見分け、使い分けることを意識もしていませんでした。

現代の情報化社会では「データ分析」の価値は非常に高まっています。それに際して「因果関係」を正しく見抜ける力・知識もまた重要になって来るでしょう。

今回は『「原因と結果」の経済学』を読んで「因果関係」について知見を得たいと思います。

この本について
『「原因と結果」の経済学 データから真実を見抜く思考法』の書影
『「原因と結果」の経済学 データから真実を見抜く思考法』
著者
中室牧子//津川友介
訳者
-
発行日
2017年2月
※書影は出版社公式サイトより引用
目次

私的要点

  1. 1

    「因果関係」と「相関関係」を混同しないようにする

  2. 2

    「反事実」を考えることで「因果関係」が存在するかを見分ける

  3. 3

    「因果関係」の有無を考えることで思い込みや根拠のない通説に騙されづらくなる

所感メモ

「因果関係」「相関関係」の定義を改めて確認

経済学では、「2つのことがらのうち、どちらかが原因で、どちらかが結果である」状態を因果関係があるという。

(中略)

一方で、「2つのことがらに関係があるものの、その2つは原因と結果の関係にあるとは言えない」状態を相関関係があるという。

『「原因と結果」の経済学』P.002より引用

「原因→結果」という構図が「因果関係」であり、その「原因→結果」の有無を見極める必要があるということですね。これを見極めることで、誤った意思決定を避けられるようにすることが本書の主題となります。

因果関係のチェックポイント3つが示されているため引用してみます。

2つの変数の関係が因果関係なのか、相関関係なのかを確認するために、次の3つのことを疑ってかかることをおすすめしたい。その3つとは、

 1. 「まったくの偶然」ではないか

 2. 「第3の変数」は存在していないか

 3. 「逆の因果関係」は存在していないか

である。

『「原因と結果」の経済学』P.028より引用

ここで詳細を説明することはしませんので、直接本書をご確認ください。

これらの考え方を把握しておくだけでも意思決定のための判断に影響が出るでしょう。

「因果関係」を証明する「反事実」

では、その因果関係をどうやって見極めるか?

その手法としては「反事実」を考える手法が用いられているそうです。「反事実」の説明を引用してみます。

反事実とは、「仮に○○をしなかったらどうなっていたか」という、実際には起こらなかった「たら・れば」のシナリオのことを指す。

『「原因と結果」の経済学』P.036より引用

この考え方によって「原因→結果」の構図が成立しうるかを確認する必要があります。

ただ、本書にも記載されている通り、「たら・れば」の正確な結末を知ることはできません。そこで、様々な類似する事象との比較、周辺情報からの類推によって「反事実」を設定しなければならないことになります。

分析手法の把握

本書では、その「反事実」設定のための手法が紹介されています。個人で取り入れようとすると

  • 得られる情報に量・質
  • テスト可能な内容

これらには限界があります。それでも、手法があることを知った上で

  • 広まっている通説は「因果関係」が証明されているか?
  • 広まっている通説はこのように証明可能か?
  • 自分の説を証明したい場合、どのような情報を収集すべきか

このような視点を持って、判断・調査・仮設設定を行えることは大変有意義でしょう。

中でも、ビジネスで使用される手法として紹介されている、COLUMN7に示されている「A/Bテスト」が非常に試しやすく有用であると思いました。

こちらについては後日、別途調査してみたいと思います。

この内容をどう生かすか

「因果関係」と「反事実」を意識しておく

本書の主題は

「因果関係」が存在するかを考えて、正しい判断ができるようにする

事ですので、日常生活でも

  • 反事実はどうなる?
  • 因果関係があるか?
  • そのうえでどう判断するか?

このように考える習慣があると良いいかと思います。

所感メモでも書いた通り、即使いこなすことは難しい内容もありますし、個人では収集できる情報には量・質ともに限界はありますが、本書の「反事実」分析手法も一通り把握しておきたいです。

特に「A/Bテスト」は個人のビジネス・仕事においても手を付けやすいため、まずはここから試してみるのがよいかもしれません。

私も、ブログにおいて

  • 取り上げる内容
  • 書き方
  • 構成・レイアウト

等少しずつ試行し、正しい判断のもとで改善していけたらと思います。

確率・統計に慣れておく

直接本書とは関係のない内容ではありますが、、、

高校までの数学で確率・統計には触れている方も多いと思います。

ただ、それを日常生活や仕事でとっさに反映できないことも多いです。

私のように普段あまりこういった用語や手法に触れることの少ない人間でも、少し復習しておき、期待値・分散・標準偏差 等の基本用語くらいは拒絶反応を起こさず接することが出来るようにしておくこともまた、正しい判断をする助けとなるでしょう。

少しずつ、復習していきたいと思います。

関連する読書メモ

まだありません。。。

気になった言葉

後日調査したらリンクを追加予定です。

  • A/Bテスト
  • 因果関係

ひとこと

「因果関係」を明確に定義し、その証明のための手法を知ることができました。

若干、一冊を通して事例と証明手法の羅列に終始している感はありましたが、本書をきっかけに「経済学」「確立・統計」等を復習しようと思うきっかけにはなりました。

「意思決定」に関する導入と一冊として軽く読んでみるのもよいと思います。