超有名な名著中の名著かと思います。
「本を何から読もうか?」と考えてみた場合、文学作品を除けば、真っ先に勧められるであろう一冊ではないでしょうか?
「人類の歴史」という壮大すぎる内容ですので、若干ハードルの高さを感じていたのですが、読み始めるととても面白いです。妙な堅苦しさはなく、読むドキュメンタリー番組のような感覚でとても楽しんで読み切りました。
今回は『サピエンス全史』を読んで学んだことについて少しだけ書いてみます。
※ちなみに私は文庫版を読みました。
私的要点
- 1
定住と食料生産
これにより人口は爆発的に増えたが、過酷な生活を強いられることにもなった。 - 2
虚構による協力
「国家」、「宗教」、「貨幣」、「科学」などすべてこれに該当。これにより人類が他の種を押しのけて圧倒的に繁栄した - 3
幸福
今までの人類の積み上げてきた歴史は「人類の幸福」という観点では微妙?
所感メモ
「定住」がもたらしたのは
最近『移動する人はうまくいく』という本を読み「定住」が人類にもたらした影響について考えるようになりました。
現在読んでいる『銃・病原菌・鉄』で読んだ記述も一部混ぜていますが、
- 発端は「農業」の獲得
- 食料を安定して「生産可能」になる
- 作物・家畜を育てるために「定住」開始
- 食料が安定し、「食料生産者以外」を養えるようになる
- 「職業」が生発生(もしくは明確化?)
- それにより「格差」「階級」が生じ始める
まだまだ情報を集めてアップデートしていきたいですが、現状持てる知識で考える限りはこういった流れでしょうか。
この部分だけ抜き出して考えてみると、現代社会を生きている我々の視点では「生きづらさの原因これじゃないか?」と短絡的に考えてしまいそうになります。
ただ、「定住」により四六時中食料探しから解放されたことは間違いありませんし、現在私が室内でPCを弄っていられるのはこのおかげでもあります。
現代社会の恩恵を享受して生きる我々が都合の悪いデメリットからは逃れたいというのも都合の良すぎる話でしょうか?
今後のテーマとしては「定住のデメリットから逃れる方法とその是非」と仮置きして、また情報を集めていきたいと思います。
歴史を学ぶ意義
本書で一番記憶に残った内容が「歴史を学ぶのはなぜか?」というような記述です。
ビスマルクの「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉は有名ですが、同時に「歴史に学ぶってどういうことだ?」と思ったこともありました。
本書での記述を引用してみます。
それでは私たちはなぜ歴史を研究するのか? 物理学や経済学とは違い、歴史は正確な予想をするための手段ではない。歴史を研究するのは、未来を知るためではなく、視野を広げ、現在の私たちの状況は自然なものでも必然的なものでもなく、したがって私たちの前には、想像しているよりもずっと多くの可能性があることを理解するためなのだ。
『サピエンス全史 下』(文庫版)P.62より引用
これはずっと持ち続けていきたい言葉です。もう学校の歴史の授業の最初に取り上げてもいいのではないかというくらいの言葉だと思います。
自分でも似たようなことを思ってはいても、改めて他の誰かの言葉で再確認できるというのは何となく理解が深まるような気がします。
引き続き歴史の本も読んでいく予定ですので、この言葉を頭に置いておきます。
無知の発見
これも本書を読んでかなり心に残った部分です。
「自分たちの知らない領域に莫大な利益をもたらすものがある」という発見のことであり、これをきっかけとして現代まで続く「科学革命」が始まったという内容です。
イスラム教やキリスト教、仏教、儒教といった近代以前の知識の伝統は、この世界について知るのが重要である事柄はすでに知られていると主張した。偉大な神々、あるいは単一の万能の絶対神、はたまた過去の賢者たちが、すべてを網羅する知恵を持っており、それを聖典や口承の形で私たちに明かしてくれるというのだ。
『サピエンス全史 下』(文庫版)P.77より引用
引用連発はできるだけしたくないのですが、ここは書いておきたかったので、旧来のこのような考えと「科学」との対比についての文章も再度引用します。
進んで無知を認める意思があるため、近代科学は従来の知識の伝統のどれよりもダイナミックで、柔軟で、探求的であった。そのおかげで、世界の仕組みを理解したり新しいテクノロジーを発明したりする私たちの能力が大幅に増大した。
『サピエンス全史 下』(文庫版)P.80-81より引用
現代を生きる我々からすると、「未解明の内容」が把握しきれないほど存在するというのは疑いようのない事実でしょう。そして、世界中の研究者たちはそ「未解明の内容」を解き明かすため日夜研究に励んでいるわけですよね。
私自身も「知らないことだらけだ」という思いから読書をし、情報を集めて新しい知識を得続けようとしているわけです。
しかし、こうした「未知の領域を解き明かそう」という考え方自体が当たり前ではない時代があったという話が私にとっては衝撃的でした。
これ自体が人類の発展による「発見」なのだとしたら、私はその「発見」をした過去の人類に大いに感謝しなくてはいけませんね。
この内容をどう生かすか
本書については何かを生かそうというよりは教養として読み始めたので、実践に落とし込むような内容は特にありませんが、あえて言うなら
「虚構」という事実
所感メモにも書いた通り、「国」も「宗教」も「会社」も「お金」も「資本主義」もすべては人類の脳が作り出した「虚構」であるということ。
だから蔑ろにしていいというわけではありませんが、
- 変に囚われ過ぎないように
- 必要以上に依存し過ぎないように
- 思いつめないように
これくらいの心持ちで、一歩引いて物事を捉えられるようになるといいなと思いました。
生態系へ与えてきた影響を改めて考える
人類も地球に生まれた生命の一種であることに違いはありません。
とはいえ、ほかの種と比べて地球に与えた影響が明らかに大きいことは疑いようのない事実であると思います。
- 人類の活動で絶滅させた種は?
- 人類が破壊した森林面積は?
- 人類が海洋に放出したプラスチックの総量は?
ただ、これだけではなく
- 現在行われている保全活動は?
- 絶滅を防げた種は?
- 環境に配慮した活動は無いのか?
- SDG'sの成果はあったのか?
などなど考え始めればいくらでも出せるのではないかと思います。
私一人にできることは余り無いかもしれませんが、情報を集め、「環境にどう影響が出るか?」を考えながら日々を生きてみます。
関連する読書メモ
・『教養としての「世界史」の読み方』
「世界史の本」ですので当たり前ですが、移動や文明の発達からの階級の発生など共通する話題が出てきます。
・『移動する人はうまくいく』
本書からの引用あり。「定住によって人類がどのように変わったか?」を引用し、そのため「移動」することが良いという展開で始まる本です。
気になった言葉
後日調査したらリンクを追加予定です。
- 定住
- 認知革命
ひとこと
上下巻に分かれており、それなりにボリュームはありますが間違いなく読む価値があります。次に読む本を探している方は本書を選んで損は無いと思います。
というか、未読なら優先して読みましょう。それくらい良い本だと思います。

