「読解力」は誰もが欲しい能力ではないでしょうか。
私も特にブログを始めてから痛感していますが「本当に読解力がない!」という悩みは奥深いです。
同時に、同じ文章を目にしても「深く読める人」と「そうでない人」に分かれる事例を目にしたことがあると思います。私は残念ながら後者です。
そういった悩みについてもヒントが得られる本です。
今回は『わかったつもり 読解力がつかない本当の原因』を読んで、文章の読み方を考え直してみます。
私的要点
- 1
「わかった」「わかったつもり」「わからない」の3状態が存在することを理解する
- 2
「分かったつもり」になることで「もっと知りたい」という欲求が起こらなくなり、理解が止まってしまう。これにより読解力がつかない
- 3
文章を読むときには、「文脈」を掴めると「スキーマ」が「活性化」し、「わかった3状態」のいずれかに移行
所感メモ
まず、前提としてこの本は「要約や感想をどれだけ読んでも変わらない」のではないかと思います。
読解力についての本ですので、「実際に読んでみましょう」がありますが、よく自己啓発本に出てくる「ワーク」のようなものではありませんでした。
「文章を読み、”わかった”か確かめる」ような性質のものですのでただ読み進められるだけで事実上実践されるのが良いです。
私は「引っかけようとしてるんだから、避けるまでだ!」と思いつつも、しっかり「わかったつもり」状態になっていました。
本書は特に「実際に読んでみる」ことをおすすめします。
「スキーマ」「文脈」「活性化」
本書のキーワードです。「これだけ知っていれば読解力がつく」というようなものでは全くありませんが、少しだけまとめて書いてみたいと思います。
それこそ「わかったつもり」になってないか?と疑心暗鬼になってしまいそうですが、私は現状このように理解しました。(後日しれっと変わってたらそういうことです)
つまり、「文脈の把握」が「わかること」のトリガーとなります。
ということは、「文脈」を捉え違えると、脳は違う「意味」と結び付けてしまう、ということになります。
一度本書でどのように述べられているか引用してみます。
「間違ったわかったつもり」を作り上げるほどに、文脈の力は大きいのです。文脈は「諸刃の剣」です。適切な文脈がなければ「わからない」状態を引き起こしますが、存在する文脈が強力であればあるほど、それによる間違いを引き起こす可能性が高くなるのです。
『わかったつもり 読解力がつかない本当の原因』P.134より引用
よって、「文脈」という言葉の意味と役割をしっかりと認識し、意識的に文脈を切り替えられるようになるといいのかもしれません。まあ、「それが出来れば苦労はしねェ!!!」というやつでしょうが。
間違いを見つけるには?
では、「文脈」の適用間違いを見つける方法はあるでしょうか?前提として、
- 「文脈」を認識すること
- 「わかったつもり」を体感しておくこと
これらは当然押させておくべきでしょうが、本書に紹介されていた方法の一つが私にとても刺さったので引用してみます。
(前略) 読んだ文章について、意識的に自分なりの「まとめ」をしてみることを奨めます。
その「まとめ」があまりに簡単なものであった場合には、私たちは「ステレオタイプのスキーマによる魔物」に、からめとられている可能性があります。
「まとめ」が自らの慣れ親しんでいる「ステレオタイプのスキーマ」と同一である場合は、それを当てはめているのではないかと、自らの「読み」を疑って下さい。文章それ自体を、あまり重要視せずに、「内容は、ああ、あれだな」という感じがするときには要注意です。
『わかったつもり 読解力がつかない本当の原因』P.170より引用
今の私にとても刺さる言葉でした。自分も無意識に「意味は、ああ、あれだな」を何度やっていたか分かりません。
すべての文書をなめるように読む、というのは中々できることではありませんが、
「ああ、あれだな」と仮説を立てる→読み込んで検証
これくらいの段階を踏むことはすべきだと思いました。本全体を通してこれを実践するのはかなり厳しいですが、部分部分でなら可能でしょう。
「ああ、あれだな」が出たら自動的に「検証モード」に入れるようになっていきたいと思いました。
この内容をどう生かすか
「分かったつもり」を体感し、疑う
実践という方向で考えるなら間違いなくここになるでしょう。
本書で「わかったつもり」を誘発しやすい文章が複数紹介されていますので、実際にご自身で読んでみるといいと思います。
自分がいかに「良く読めていない」かを痛感させられるのではないかと思います。
そして、その「わかったつもり」を体感しておくことにより、「本当に”わかった”か?」と疑えるようになります。文章を読むときにこれが自然に想起されれば一歩前進ではないでしょうか。
そうして経験を積んでいけば自分が
- 全然違う受け取り方してたな
- 自分に都合がいいように理解してたな
- 論理の飛躍があるな
- これに「因果関係」はないな
等々、失敗事例がたまっていくことにより、自分の「わかったつもり」の傾向が見えてくるかもしれません。これは読解力獲得への第一歩になるのではないかと思います。
自分のまとめを実際に「書いて」みる
私自身もブログを書くようになって実感していますが、読書中は
- この文章はこういうことか
- これを引用してみよう
- 実践に落とし込むならこうかな?
というように考えていても、いざ文章を書き始め、引用のために読み返すと
「あれ?全然違うこと書いてない?思ってた内容と違った!」と気づき、書くのをやめたことも何度かありました。これはまさに「わかったつもり」の典型例だったのだと思います。
所感メモでも「自分でまとめて評価してみる」ことに触れましたが、本を読んで「○○を学んだ!」と思ったら、その前後の記述を再度読み返し、実際に「書いて」まとめなおしてみるといいかもしれません。
書くのはPC上でも紙でも良いと思います。
「視覚的に見えるようにしてみる」ことが有効ではないか?という考えになります。頭の中で考えるだけではどうしても限界があると思いますので。
また、書いている間に新しい気づきを得ることもありましたので、そういう副次効果も得られるかもしれません。
関連する読書メモ
・『「原因と結果」の経済学』
「相関関係」と「因果関係」を読み違えるな、という内容の本となります。読解力を得るためには、「自分の認知」の改革だけでなく、文章に対する「客観的な評価ツール」が複数あるといいと思います。この本をその一例として読んでみてもいいかもしれません。
・『本を読む本』
この本で「点検読書」という概念が提示されていますが、我々素人がこれをやると「わかったつもり」になる可能性が非常に高いと思います。
だから読むなというわけではありません。本書の内容を踏まえ、「点検読書」が何を意味しているかを考え直してみるべきではないかと思いました。
気になった言葉
後日調査したらリンクを追加予定です。
- 読解力
ひとこと
繰り返しになりますが、実際に読んで初めて意味が分かるというか、腑に落ちる本ではないかと思います。
分量もそれほど多くなく読みやすいと思いますので、一度ご自身で読んでみることをおすすめします。
ちなみに、本書の帯にこう書いてあります。(公式サイトを見たら20万部に増えてた)
ほとんど宣伝してないのに、口コミで18万部突破!
『わかったつもり 読解力がつかない本当の原因』帯より引用
実際に読んでみると、これの意味が何となくわかりました。こうやって次に人に次の人にと広まっていったんでしょうね。
