その山を見上げて

読書と思考を積み上げていきます。

『ドリルを売るには穴を売れ』──お客様に「価値」を提供すること

マーケティングの入門書として大変有名な本です。

最近私はマーケティングについて調査しており、これで4冊目です。今まで読んできた3冊が、応用編→応用編→古典 という流れだったこともあり、解釈が大変難航しました。

そんな事情もあり、本当に「マーケティング入門」的な本を読んでみようと思い本書を選びました。

「潰れそうなイタリアンレストランを復興させる」という物語も併用しての説明となっているため、読みやすいです。最初からこういった本を読んでいればよかったかもなぁ、と思っております。

今回は『ドリルを売るには穴を売れ』を読んで、今一度マーケティングの基礎を学びます。

この本について
『ドリルを売るには穴を売れ
誰でも「売れる人」になるマーケティング入門』の書影
『ドリルを売るには穴を売れ 誰でも「売れる人」になるマーケティング入門』
著者
佐藤義典
訳者
-
出版社
青春出版社
発行日
2007年1月10日
※書影は出版社公式サイトより引用

※出版社サイトの写真は初版当時のカバーデザインかも
 今出回っているものとデザインが違いました。

目次

私的要点

  1. 1

    マーケティングとは、お客様の心の中で起きている。
    お客様にとっての価値を提供すること

  2. 2

    マーケティング基礎理論
    ①ベネフィット
    ②セグメンテーション
    ③差別化
    ④4P(製品、価格、販路、広告)

  3. 3

    これらすべてが美しく整合するのが良いマーケティング

所感メモ

マーケティングはお客様の心で起きる

これがやはりマーケティングの神髄ということでしょうか?

先日読んだ『マーケティング22の法則』という本にも同様の主張(法則)が登場します。こちらではマーケティングは知覚の戦い」とされていました。

bookandthink.com

お客様が人間である以上、購入の意思決定に「感情」が大きく影響することはやはり避けようのない事実ということですね。本書では「お客様ファースト」的な書かれ方をしています。あとがきからこれについての記述を引用してみます。

会社の存在意義とは「お客様にとっての価値」を向上することなのだから。

『ドリルを売るには穴を売れ 誰でも「売れる人」になるマーケティング入門』P.242より引用

先日読んだ『マーケティング22の法則』では

  • 顧客の知覚に働きかける
  • 顧客の知覚に入り込むことが重要

というような書き方(訳され方?)です。当然、書名に従ってあくまで客観的に分析した結果として、「法則」風の書き方をしているだけだということはわかっています。

でも、個人的には例え綺麗事であったとしても、本書のように「お客様にとっての価値を!」という書き方の方が好きですし、支持したくなります。

4つの基礎理論

私的要点2にも書いた通りですが、本書では最低限知っておくべき理論として4つ紹介されています。

  1. ベネフィット:価値を売れ
  2. セグメンテーション:顧客の選択と集中
  3. 差別化:競合と比較した強みを明確化
  4. 4P(製品、価格、販路、広告):具体的なプラン

このような内容となっています。

本書では、これらの4つをストーリーを交えて解説してくれています。ここで詳細まで書いたりはしませんので、ご自身で読んでみてください。

著者はこれらを「最低限」と表現していましたが、私の浅い「マーケティング本」経験を振り返る限り、大抵の本はこれら基本理論を中心に展開されていたように思います。

その上での、他マーケティング本の「差別化」としては

  • 特定の理論への特化
  • 別分野の視点での再分析
  • 各理論へのオプション部品紹介

これらではないのかなと思います。よって、そういった内容を押さえておける本書は入門書としてかなり優秀ではないでしょうか?

後は贅沢を言うのであれば、「参考文献」をもう少し充実させてもらえると助かるなぁという程度です。まあ、本書は著者の経験をもとに書かれている様なので、特に参考として挙げるような本は無いということかもしれませんが。

この内容をどう生かすか

個人的には本書のように「何かを売りたい」というよりは、ライフハック的というか、考え方を学ぶことを主題として読んでいます。ただ、そういう見方であっても本書の4つの基礎理論は応用が利くのではないかと思います。

「提案」に読み替えてみる

現在私がこれらの内容を直接的に生かせるとしたら、本ブログが一番でしょう。ただ、本ブログはどちらかと言えば「売る」より「記録する」ことが目的ではありますので、

「売る」→「提案する」、「顧客」→「読んでくれた方」に読み替えて実践してみたいと思います。

基礎理論を4つを「提案」にしたら?

どうなるか考えてみます。

  1. ベネフィット
     →「提案の価値」※そのまま
  2. セグメンテーション
     →逆に相手の立場を考える
  3. 差別化
     →他意見を排除する理由の検討
  4. 製品(4P)
     →何を「持ち帰ってもらう」
  5. 価格(4P)
     →所要時間、検討の労力
  6. 販路・広告(4P)
     →伝え方の工夫(話の展開)

取っ散らかってますが、こんな感じで読み替えられないでしょうか?

まとめると、

  • 提案の価値
  • 伝え方
  • 相手の現在位置の想定
  • 相手の得られるメリット
  • 相手の時間、思考リソース消費量

この5つを中心に考え抜けば、家族間のお願いごとでも、友人・恋人を遊びに誘う場合でも、本来の用途であるビジネスでも

大きく外さない「提案」ができるのではないでしょうか?ちょっと強引かな?今後もマーケティング本を読んでいく予定ですので、アップデート出来たら書いていきたいです。

なんにせよマーケティングマーケティングは、相手の心理を考慮した意思決定の方法論」とも言えるのではないか思います。そう考えれば実践に落とし込みやすくなりそうです。

関連する読書メモ

・『マーケティング22の法則』

本書の主題でもある「マーケティングはお客様の心で起きる」と似た法則を提唱しています。マーケティングの古典ですので、本書も少なからずこの本を意識して書かれているのかもしれません。

bookandthink.com

気になった言葉

後日調査したらリンクを追加予定です。

ひとこと

読みやすく、「マーケティング」の基礎を知ることができる本でした。

初版発行が2007年ということで、時代はかなり変わってはいます。ただ、やはりマーケティング=お客様の心」である以上、本書の内容はこれからも変わらぬ原理なのでしょう。

入門書として最初に読んでおきたかった本です。マーケティングを勉強するなら最初の一冊目にどうでしょうか?