今回は「社会学」をテーマにして本を探してみました。
特に内容を調べることなく「14歳からの」というタイトルで「入門用かな?」と思い手に取りましたが、大人の私からしても中々難しい本でした。少なくとも14歳の私であれば最後まで読み切ることができなかったでしょう。
内容としては、どちらかというと「哲学」というタイトルの方が適切ではないかと思いました。
今回は『14歳からの社会学』を読んで感じたことを書いてみます。
私的要点
- 1
・試行錯誤ができる「自由」
・それを他者が認めてくれる「承認」
・失敗しても大丈夫という「尊厳」
これらが存在することで、人間は社会で生きている - 2
「みんな」という共通の前提が失われ、「承認」を得づらくなった
- 3
「自分もこういう人になってみたい」という「感染動機」から学んだ内容が一番身になる。
- 4
・自分が死んだ後どう評価される?
・自分が死んだら誰が悲しんでくれる?
のように考えつつ<社会>に関わって生き、死んでいく
所感メモ
内容としてはどちらかというと「哲学」ではないのかと思います。
著者の主観がなかなかに強く、「社会学では~」というような文章があっても「実際はどうなんだろうか?」という問いが浮かんできました。
とは言うものの、「社会」という言葉に対して学ぶことは多くありました。
「承認」と「みんな」
「承認欲求」という言葉が最近(なのか分かりませんが)広く使われています。
- 自分を知ってほしい
- 話を聞いてほしい
- 賞賛してほしい
こういう行動原理が透けて見える人に対して「承認欲求が強すぎる」というような言葉が投げかけられている場面はよく見かけますね。
実際、本書でも社会で生きる上で「自由」「承認」「尊厳」この3つのループによって人間が社会で生きていけていた、というような記述がありました。引用してみます。
[①君が「思考錯誤」する(「自由」)→②それを見て他者が認めてくれる(「承認」])→③「失敗しても大丈夫」感をいだける(「尊厳」)→①安心してさらに「思考錯誤」する→②……]というこの循環がある。人間を社会的に成長させるのは、この循環なんだ。
『14歳からの社会学 ——これからの社会を生きる君に』P.24より引用
「承認」があるからこそ、挑戦ができるし、「挑戦しても大丈夫だ」と思えるようになるということですね。もちろん、誰からも「承認」されなくてもひたすら試行錯誤を繰り返している人だっているでしょう。
ただ、そういった人でも少なからず
- 「いつか評価してもらえる」
- 「いつかみんなが自分の価値に気づく」
- 「いつか誰かに届く」
こういった考えを持っているのではないでしょうか。
私も「読書メモ」としてブログ記事を書いてはいますが、こうして誰かに語り掛けるような書き方をしているのはつまり、こういった考えを持っているということですよね。
ではなぜ、現代になって「承認欲求」を求めて彷徨っている人が増えているように感じるのか?
単純にインターネット、SNSの普及で可視化された、という要因も大きいでしょうが、「承認」をくれていた「みんな」という言葉の共通前提が崩れてしまったとされています。
町を見てごらん。昔だったら町で出会うのは「同じ日本人」だった。いまでは都会での居酒屋や喫茶店では多くの外国人が働いている。大工さんにも外国人が混じって働いている。最近では「日本人」といったって、「日本」で育っていない人も大勢ふくまれている。
(中略)
どんな国、どんな民族、どんな文化……どんなくくりを考えても、そこから出たり入ったりする人間が増えた。そこに所属するからといって、その人たちがそのまま「みんな」だとはいえない。時代は変わったんだ。
『14歳からの社会学 ——これからの社会を生きる君に』P.16より引用
多様性は良いことです。少なくともそう教えられますし、そう考えられています。
しかし、その弊害(?)として、自分の周りにいる「みんな」が何者かよくわからなくなってしまった。
「承認」をくれるはずの「みんな」が不明瞭になり、「承認をもらえる」という確信を失った。ということでしょうか?
個人的には「半分同意」という感じでしょうか。
匿名性が高まったことによる「行動ハードルの低下」も少なからずあるのではないでしょうか?また、インターネットの発達により、今まで出会うことのなかった人たちを新たな「みんな」としてくくって、「承認」を得ている人も存在するのでは?
そういうレベルの話ではないということでしょうか?もしくは、単行本としては2008年に発行された本であり、これまた「時代の変化」でしょうか?
また社会学の本は読んで引き続き考えてきたいです。
この他の話題
「承認 」と「みんな」の話以外にも、
- 労働と「やりがい」の話
- 生と死の話
- 「自由」の話
といった内容が続いきます。
しかし、客観性に欠けると思いましたので、ここでは取り上げないこととします。やはり、「自伝」的な成分が強い本なのだと思います。
今後も見聞を広め、私自身がこういった内容にも客観的に意見を述べられるようになればいいなと思います。今後も継続していきます。
この内容をどう生かすか
逃げ道としての「最低限」
「仕事と適切な距離感を持とう」という考えも書かれています。
私もこういう考え方ありだなと思ったので引用してみます。
自分がどんな人間で、何をしているときが幸せか。
「これさえあれば自分は幸せ」と思えるものは何か。それをつかむためにだけ「思考錯誤」して、おぼろげながらでもつかんでいく。そうすれば、自分に必要じゃないものに過剰な期待をしなくて済むようになる。
『14歳からの社会学 ——これからの社会を生きる君に』P.127より引用
ある意味これも「選択と集中」の前段階といえるかもしれません。
基本的に私は「基準は高く持とうぜ」と思いたい人間ではありますが、例えば夢破れて、とか病気で働けなくなって、といった場合にも「最低限自分に何が必要か」から逆算する考え方を知っておくのは逃げ道として良いのではないかと思います。
”逃げ道”というと言葉が悪いかもしれませんが、「自分を守る手段」ですね。
関連する読書メモ
ありません。
気になった言葉
後日調査したらリンクを追加予定です。
- ノーム・チェムスキー
- イマニュエル・ウォーラーステイン
ひとこと
「社会学の基礎理論」的な内容が読みたかったのですが、どちらかと言えば「著者の人生観」を社会学的な言葉で肉付けした、というような本です。そういう意味では、社会学の入門書としては不向きだと思います。
とはいえ、少なくとも「社会学とは本当にこういう学問なの?」という疑問を抱き、今後も社会学系の本を読んでみようという気にはなりましたので、きっかけとしては良かったのかもしれません。ただ、私は、本書には「感染」はできなかったようです。
逆に、著者の主張や活動に「感染」する要素を持つ方であれば、本書は「事実上の自伝」ですので、興味深く読めるでしょう。
