前回は『遅読家のための読書術』という本を取り上げました。
今回も同じく、年間700冊以上の書評を書いている書評家である印南敦史さんの本となります。
『遅読家のための読書術』は「読む」ことについての本でした。
そして、今回は「書く」ことについての本です。
私は書評家というわけではありませんが、ブログで「読書メモ」を書いていますので、本書の「書く」ことに対する内容は大変参考になると思いました。
今回は『遅読家のための読書術』を読み、著者の「書評」への思いに触れてみます。
私的要点
- 1
「自分に役立ちそうだ」と思ってもらえるのが良い書評
- 2
読者の目線に立って、誠実な文章を書くよう心がける
- 3
自分の文章を好きになる(=自信を持つ)ことも重要
所感メモ
「書評」の在り方
最近はインターネットが発達したことにより、旧来は「難解で読みにくい書評」が多かったところ、「読者に役立つ情報を提供する書評」が登場し始めているとされています。
確かに、文章を書いて発信するという行為のハードルはインターネットの登場により大幅に下がっていますよね。このブログもそれの一つだと思います。
そんな状況の中で著者の思う書評の在り方についてに記述を引用してみます。
※黄色マーカーは私が独自に引いたものです
具体的にいえば僕の場合は、読者に”おトク感”を提供することが重要だと考えています。例えばビジネス書の書評なら、その書評を読んだ結果、「なるほど、これは自分の仕事に活用できそうだな」ということを実感できれば、その書評はその読者にとって有用な書評だということになるからです。
また、読者はさらに、「こういう役立ちそうなアイデアが載っている本なら、実際に読んでみようかな」という気持ちになってくれるかもしれません。だとすれば、その書評は読者にとって意味のあるものとなります。
『書評の仕事』P.38より引用
多少の建前はあるのでしょうが、とにかく「読者のために」という視点で書かれているようです。
ブログの書き方についても同じことがいえると思います。ネットで「ブログの書き方」のように調べると
- 読者の疑問は何か?
- 読者の欲しい情報は何か?
- 役立つ情報を発信できているか?
こういった視点で書くことが推奨されていますよね。
本ブログも「自分の読書記録」という想定ではあるのですが、やはり世間に向けて公開する以上「読んでくれた人の役に立つか?」という視点は持てるようになりたいと思いました。
誠実さ
書評に限った話ではないですが、「誠実さ」が大切であるともされています。
その文章が誠意を感じさせてくれるとしたら、たとえ筆者の主張が自分の意見とは正反対のものだったとしても、読者は不快感を覚えることはないはず。「自分とは考え方が違うけれど、この人にはこの人なりの考え方があるんだな」と受け入れることができるということです。
『書評の仕事』P.69より引用
これに関しては「書評」に限らず、「文章」にも限らず「伝えること」そのものに通づる内容ではないでしょうか。
自分の考えと合わない人と会話することは必ずあります。自分の気に入らない仕事をしなければならないこともあるでしょう。
とはいえ、そういった場合にも
- 不快感を出す
- 悪意を表に出す
- 極度に批判的になる
こういった態度を前面に出してしまったら、
相手に伝わり相手からも同じような態度を返され
さらに自分の態度が悪化し…
という負のループに陥ってしまいます。「誠意」をもって何事にも取り組むようにしていきたいです。(やっているつもりではあるのですが)
私は極度に「マーケティングマーケティング」している本よりもこうして「情緒的」なことを語ってくれる方が好感を持ってしまいます。私が日本人的なのか、もしくは著者と感性が近いのかもしれません。
この内容をどう生かすか
自分の文章を好きになれるように
「書評」は結局自分の文章を世間に公表する仕事です。そのため、「どんな文章が良いか」はブログとは比べ物にならないほど重要でしょう。
それについて著者は「自分の文章を好きになること」を推奨しています。
(前略)おかしな表現ですが、文章を書くうえでは、”客観的な自己満足”も大切なのです。別の表現を用いるなら、自分で読み返して「いいなあ」と思えるくらいのレベルでないと、世に出す資格はないわけです。
『書評の仕事』P.69より引用
これはとても大切であると思います。
「プロならでは」と言ってしまえばそうかもしれませんが、私のような素人だからこそ覚えておくべき内容だと思っています。
自分の感性を騙さないように、ということでもありますね。自分で書いた文章を自分で読み、「なんだかなあ」と思うのであれば、やはりその文章は何かしら問題を抱えている。
自分でいいと思えない文章は、他人から見てもよくないのでしょうね。
私も自分の感性に嘘をついて「こんなもんでいいか」という出し方をするのはできる限り控え、「どこが良くないのか」「どうするといいのか」を考えていくようにしていきます。
「飛ばし読み」とのバランス
やはり印南さんは本書でも「適切な飛ばし読み」を推奨しています。個人的には本は必ず通読するようにしているので、露骨な飛ばし読みはしていないのですが、一度飛ばし読みを体験してみて
- どの程度内容がとれているか
- 拾い損ねた内容は何か
- 飛ばした部分に何が書いてあったか
一度これらの評価を行ってみようかと思います。効率良く数を読めるようになるならそれは楽しいことですよね。
特に最近私が良く読んでいるビジネス書はかなり内容が似通っている本も多く、違いは著者の経験談くらい、ということも多いです。
同じ著者の『遅読家のための読書術』でも述べられている
- 1週間で1冊を読み込み「1%」しか得られないなら
- 同じ時間で10冊を早く読んで「10%」を得る
この方法を部分的にではありますが取り入れてみようかと思います。
関連する読書メモ
・『遅読家のための読書術』
同じ印南敦史さんの著書。こちらは「読む」ことについて書いた本ですので、本書とセットで読むとより著者の考えを知ることができると思います。
気になった言葉
後日調査したらリンクを追加予定です。
- 要約
ひとこと
「書評」についての本ではありますが、
- 文章を書くこと
- 相手に伝えること
といったコミュニケーション全般に対して役立てられる本だと思います。ある意味ではそういった「伝えることのプロ」の考えを学べる良い本だと思いました。
「書評」をよく読むとか、「書評」を書いてみたいという方にも楽しめる本だと思います。
