その山を見上げて

読書と思考を積み上げていきます。

『より少ない生き方』──それは自分の人生をコントロールすること

ミニマリスト 数年前にブームになった言葉ですね。

You Tubeでもミニマリスト」「ミニマリズム」「ものを減らす」というような発信をされている方が大勢います。

しかし、ブーム火付け役となった本書を直接読んでいない方もいるのではないでしょうか。やはり基本に立ち返って言葉の本質を考えることは理解が深まります

今回はベストセラー本『より少ない生き方 ものを手放して豊かになる』を読んで、本当のミニマリズムとはどんなものか考えてみます。

この本について
『より少ない生き方 ものを手放して豊かになる』の書影
『より少ない生き方 ものを手放して豊かになる』
著者
ジョシュア・ベッカー
訳者
桜田直美
出版社
かんき出版
発行日
2016年12月14日
※書影は出版社公式サイトより引用
目次

私的要点

  1. 1

    「ものを手放す」ことで「自分の人生は変えられる」ことを知る

  2. 2

    選択と集中」を”所持品”に対して適用してみる

  3. 3

    ものを捨て、思考が軽くなることで夢をかなえることにつながる

所感メモ

ミニマリズムを再確認

ミニマリズムとは何か、言葉から再度確認します。

Minimal

最小限の、極小の

Minimalism

=Minimal Art
単純簡潔・非個性化によって芸術効果を上げようとする芸術手法

Minimal Art

形態・色彩の簡素化と非個性化を特徴とする現代抽象造形芸術

weblio英和辞典より

私は芸術には明るくないのですが、要は

  • 装飾を「足す」のではなく
  • 装飾を「引く」ことで
  • 芸術性を表現する手法

ということですね。本来は”もの”とか”断捨離”とかそういったものではなかったようです。では、これを『より少ない生き方』に適用するならどうなるでしょうか?

ミニマリズム的生き方

過剰な”もの”を減らすことで自分が本質的に求める生活に集中する生き方

ということでしょうか。何が自分にとっての「本質的に求める生活」であるかは異なりますので、作り上げられる「ミニマリズム」の方向性も異なります。

ミニマリストというと

  • 何もない部屋
  • ○○個のものだけで暮らしている
  • ベッドも手放しました

こういった極端な例ばかりが目につきますが、あなたにとっての「ミニマリズム」がこういったものとは限らないということですね。

自分にとって「本質的に求める生活」が何かを考え、適切に取り入れてみましょう。

選択と集中」だ

では、先ほどの結論を念頭に置きつつ、本書ではどのように扱われているのか確認してみましょう。関連する記述を引用してみます。
※黄色マーカーは私が独自に引いたものです。

 ミニマリズムとは、すべてを手放すことではなく、大切なことを手に入れることだ。いちばん大切にしているものを最優先にして、その障害になるものはすべて排除する

 ミニマリズムは、私たちに希望をくれる新しい生き方だ。

『より少ない生き方 ものを手放して豊かになる』P.39より引用

  • 大切なものを見極め
  • 障害になるものを削除

まさに典型的な選択と集中構文ですね。

『エッセンシャル思考』のような思考法の本でも同様の考え方が提唱されています。

これを”もの”や”生き方”に適用したものがミニマリズムとも言えるかと思います。

  • 自分が「本質的に求める生活」を見極め
  • その生活に必要なものを選別し
  • それ以外の”もの”を手放す

こういった流れこそ本書で提唱されている”もの”との付き合い方と考えて良いでしょう。

「捨てること」自体にも意味がある?

ここまでの内容から考えると、「捨てることは自分の生活を作るための手段だ」となりますね。

私もそう理解していたのですが、本書のエピソードで”捨てる”ことそのものにも意義があるのではないかという様な記述もありました。

著者のジョシュアが出会った人物トロイが、「ミニマリズム」実践経験を語った内容です。

該当部分を引用してみます。
※例によって黄色マーカーは私が独自に引いたものです。

「私は長い間、本当に苦しんでいたんです。人生をシンプルにする必要があった。借金から解放されたかった。山のようなガラクタを処分したかった。でも、いちばん必要だったのは希望です。人生は変えられるという希望なのです。ミニマリストになり、少ないもので暮らすようになったおかげで、それを手に入れることができました」

『より少ない生き方 ものを手放して豊かになる』P.39より引用

これが個人的に本書で一番の学びです。

”もの”を捨てることにより、「自分が本質的に求める生き方」に近づくことができた

という経験をしたわけです。これは自分の人生を自分でコントロールできたという経験とも言い換えられるでしょう。つまり

ミニマリズムを実践することは

「自分の人生を自分でコントロールできる」と知ること

ミニマリズムとは

「自分の人生を自分でコントロールする」こと、”もの”から人生のコントロールを取り返すこと

これが今回の結論となります。

現代の大量消費社会において、本来必要ないものをため込んでいる人は多いはずです。そういった「消費社会の圧力」から人生を取り戻しましょう。

この内容をどう生かすか

「本質的に求める生活」

これを明確にしないと始まらないことになりますね。

もしくは、まず不用品を手放すことに着手してみるといいでしょう。そうやって捨てるものを選別していくことで

  • 自分に必要なものは?
  • なぜこれが不要なのか?
  • どうして不用品をため込んだのか?

こういった疑問が浮かぶのではないかと思います。この疑問に丁寧に向き合っていくと、自分が「本質的に何を求めているか?」という問いの答えに近づいていきます。

ついでに部屋も少しづつ片付いていくので気分もいいです。

私も昨年不用品を一斉整理しましたが、これは本当に正解でした。

  • 単純に場所が空く
  • 不用品の傾向が見える
  • 余計なものを買わなくなる
  • 気が散らなくなる
  • 新しいことを始めたくなる
  • 読書が捗るようになる

こういった変化がありました。不用品整理をしていなかったなら、本ブログは始まっていなかった可能性が高いです。

そして、部屋に余白があるというのは良いものですし、なにより「本質的に必要だ」と思って残したものが映えるようになります。

本来自分に必要だったはずのものが不用品に埋もれてしまっていた、ということを再確認しました。

本書をきっちり読んでみる

ここでは取り上げていませんが、

などなど、ミニマルズム実践者が最初に疑問に思いそうな内容が網羅されていると思います。YouTubeの解説動画もいいですが、一度原点に立ち返り本を読んでみることも必要だと思います。

関連する読書メモ

・『エッセンシャル思考』

選択と集中」を説いている本です。この考え方を持っておくと、本書の内容、ひいてはミニマリズムの実践に大変役立つはずです。「見極める」ことについて書きました。

bookandthink.com

気になった言葉

後日調査したらリンクを追加予定です。

ひとこと

海外の本に多いですが、体験談がたくさん掲載されているのが面白いです。文章に起こす過程を経ているとはいえ、著者の主観一辺倒になりづらいためより説得力が増しますよね。

ミニマリズムに興味のある方、実践しているが本書未読の方などは一度しっかり読み込んでみるととても楽しめると思います。