その山を見上げて

読書と思考を積み上げていきます。

『やりたいことが見つかる世界の果てのカフェ』──自分が人生の作者

ベストセラーとして書店で見かける本です。

私にとっても、最近読んだ本の中で一番心に残った一冊となりました。

今まで読んで来た自己啓発本とは異なり、物語形式で書かれているのもまた、心に入って着やすい要因だったかもしれません。

今回は『やりたいことが見つかる世界の果てのカフェ』を読んで、人生を見つめなおすきっかけを得たいと思います。

書籍情報
『やりたいことが見つかる 世界の果てのカフェ』の書影
『やりたいことが見つかる 世界の果てのカフェ』
著者
ジョン・ストレルキー
訳者
鹿田昌美
発行日
2025年11月
※書影は出版社公式サイトより引用
目次

この本について

どのような本か

人生に迷い、休暇を取ったジョンは渋滞から逃れようとした結果、不思議な「しつもんカフェ」に迷い込みます。そのカフェのメニューに書かれた質問

  • あなたはなぜここにいるのか?
  • あなたは死を恐れるか?
  • あなたは満たされているか?

カフェの店員やほかの客との交流を通じて、ジョンはこれらの質問について考えます。

どんな人に向いているか

  • 「生きる意味」について考えたい人
  • 働くだけの人生に疲れた人

私的要点

  1. 1

    「自分がやりたいことをやる」のは「いつか」ではなくて「今」でいい

  2. 2

    常に自分の存在理由を満たすために生きているなら、死を恐れる必要はない

  3. 3

    「自分がなぜここにいるのか?」の答えは待っていても見つからない。自分自身で見つけるしかない

所感メモ

本書を選んだ理由

ベストセラーとして並んでいる本書を手に取り、「あなたはなぜここにいるのか?」という質問に対する本書の答えを知りたくなったため。

また、「人生に迷った人が、人との交流を通じてまた歩きだす」といった物語が好きで、読んでみたいと思たったためでもあります。

感想

自分自身の価値観を変えられる一冊だと思います。

私はずっと小さいころから人間に「生きる意味」「存在理由」といったものなどありはしないと思っていました。

人間を「人類の遺伝子」を後世につなぐための1個体、という考え方をするなら間違っていはいないと今でも思います。

しかし、人間として「心」があり「感情」がある以上、どこかで「生きる意味」「存在理由」といったものを求めていた部分があったのかもしれません。

「あなたはなぜここにいるのか?」という質問との向き合い方について、カフェのオーナーのマイクのセリフを引用してみます。

「ああ、それは難しい問題だ。人それぞれ、向き合う時期がある。小さな子供のころに解決する人もいれば、大きくなってから解決する人もいる。一生向き合わない人もいる」

『やりたいことが見つかる世界の果てのカフェ』P.067より引用

私にはそれが今だったのかもしれないと思いました。

自分が人生の作者

本書を読んでいて私が一番心に残ったセリフを残しておきます。

こういったセリフが出てくる物語はたくさんあると思います。私自身も記憶に残っていないだけで、今までにも出会っていたかもしれません。

しかし、なぜか本書を読んで初めて心に残りました

「そうさ、ジョン、人生は素晴らしい物語なんだ。ただ、ときどき自分が作者だということを忘れてしまう。私たちは何でも好きなように書けるのさ」

『やりたいことが見つかる世界の果てのカフェ』P.208より引用

そうですね。私自身もずっと自分が人生の作者であることを忘れていたのかもしれません。というより、気づいてすらいなかったのかもしれません。

  • 人生は変えられる
  • 人生は長い
  • 人生を取り戻せ

こういった言葉は世にあふれているわけですが、

自分の人生は自分で作っている

という前提に目を向けたのは私はこれが初めてだったかもしれません。

「自分はなぜここにいるのか?」

簡単に答えの出せる問いではありませんが、これから考え続けていきます。

消費では満たされない

最近関連する本を何冊か読んだ、ミニマリズムと根底がかなり近いであろう考え方が登場していることに気づきました。

「ぼくが働く理由の一部は、お金お稼ぐことだ。モノを買うにはお金が必要だから。でも、そういったモノが自分にとって何を意味するか考えてみると、ぼくも、アンが話していた人たちと少し似ているような気がする。

 そういったモノは、しばらくの間、現実逃避をさせてくれる。

 ぼくをリラックスさせて、今いる環境の中でいい気分にさせてくれる。

 でも、どうだろう?

『逃避』の必要がなかったら、あるいは『リラックス』する必要がなかったら、モノを買う必要って、どれほどあるだろうか?

 自分がやりたいことをやっていたら、逃げたくなることが少なくなるし、和らげなければならないストレスもそれほど多くないはずだよね」

『やりたいことが見つかる世界の果てのカフェ』P.160より引用

ミニマリズムの文脈とは順序が違っていますが、かなり似たことを言っていると思いますミニマリズムは「モノを減らすこと」で

  • 自分が本当に求めるものを見つける
  • 本当に大切なものに気づく
  • 大切なもののために減らす

こういった主張が見られます。

本書の内容も併せて考えるなら、

モノが多い生活をしているということは、現実逃避やリラックスが必要な環境にいる。

つまりは、「自分が本当に求める生き方」が出来ていないのかもしれない。

まずは、自分のモノと向き合うことで「本当に求める生き方」を見つけよう。

といった感じでしょうか。

考え方としてとても良いです。自分の生活を見つめ直す際の良い指針になりそうな考え方です。

結論

  • 人生は素晴らしい物語。そして作者は自分自身
  • 人生に希望を失いかけている人は読む価値あり
  • 「何か本を読みたい」なら本書はおすすめ

発展を考える

いつもは、読んだ本の前後につながるような分野は本はないかな?

と考えているのですが、今回はやめておきます。

「自分はなぜここにいるのか?」この問いに対する理解が進んだら、ここに何か書いてみようかと思います。

関連する読書メモ

・『あっという間に人は死ぬから』

人は「死」「孤独」「責任」から無意識に逃げようとしており、その無意識の行動こそが時間を浪費させるという本です。「死を恐れるか?」という本書の問いともかなり近しいものを感じました。泡褪せて読む価値があると思います。

bookandthink.com

・『より少ない生き方』

アメリカ発ミニマリズムの本です。本書の途中に登場する「消費」「モノを買うこと」に対する考え方とかなり近いと思います。同時に、「モノを減らすことで自分の夢をかなえることにつながる」という様な記述もあり、本書の問いに対するヒントが得られるかもしれません。

bookandthink.com

・『ぼくたちに、もうモノは必要ない』

こちらは日本発ミニマリズムの本です。著者の佐々木典士さんは、ミニマリズムの実践を通じて「今この瞬間に感謝して生きること」が自分の幸せである、と気づいたとしてます。ある意味本書の問いの答えを見つけているのかもしれません。

bookandthink.com

気になった言葉

後日調査したらリンクを追加予定です。

ひとこと

ダイヤモンド社から出ていることもあり、自己啓発本というくくりでとらえてもいいのでしょうが、ただ短編小説として読んでも私はかなり好みでした。

私もまた「しつもんカフェ」に迷い込んだ人間の一人として、「自分はなぜここにいるのか?」という問いについて考え続けていきます。