「コンフォートゾーン」について考える過程で「ストレス」という言葉が浮かんだため、本書を読みました。
本書では、タイトルの通り「ストレスへの向き合い方」が提示されています。
ここでは、『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』を読んで、目に留まった要素を整理してみます。

- 著者
- ケリー・マクゴニガル
- 訳者
- 神崎朗子
- 出版社
- 大和書房
- 発行日
- 2019年10月10日
この本について
どのような本か
ジャンル
心理学
テーマ
「ストレスは悪いものである」という考えに疑問を投げかけ、ストレスを受け入れ強くなるためのマインドセットを考える
どんな人に向いているか
- 「ストレスを避けたい」と思っている人は読む価値あり?
注目した要素
- 1
マインドセットが変わると体への影響が変わる
ストレスに対する考え方次第で表れる「ストレス反応」が異なる - 2
ストレスを経験することで強くなる
ストレスを肯定的に捉えられれば、成長につながる - 3
「ストレス反応」の種類を理解する
「逃走・闘争反応」「チャレンジ反応」「思いやり・絆反応」等、性質を理解し成長につなげられるようにする
所感メモ
本書を選んだ理由
「コンフォートゾーン」について考えるうえで読みました。
コンフォートゾーンに関する話題は大抵「そこに留まるな」「抜け出せ」というアドバイスとセットになっていると思います。
この内容をもっと違った視点から見ることができないかと考えた結果「ストレス」という言葉に出会い、本書の「ストレスを力に変える」はピッタリではないかと思いほんしょをてにとりました。
ピックアップしたい内容を書く欄1
まずなんにしても「ストレスは悪いものである」という認識を取り除く必要性が述べられます。
そして、自分がストレスに対してどういう考えを持っているか、例えば
- ストレスは害になる
- ストレスには良い効果がある
このどちらの考え方を持っているかによってストレスに接した際に自分の体に現れる「ストレス反応」が変わるとされています。
そのため、自分のストレスに対する考え方を変え、ストレス反応の性質を正しく理解すること。これが「ストレスを力に変える」ということを指していました。
一応、ストレス反応についてまとめを残しておきます。
・「闘争・逃走反応」
アドレナリンによる反応
危険を感知し、瞬時に行動を起こせるようにする
(参考:P108-109)
・「チャレンジ反応」
DHEAの割合が高まることによる反応
自信が強まり、進んで行動を起こし、経験から学ぼうとする
(参考:P115、118)
・「思いやり・絆反応」
オキシトシンによる反応
勇気が強まり、進んで人の世話をし、社会的な関係を強化する
(参考:P115、119)
・「敗北反応」
度重なる苦痛を経験することで、体が条件的に示す反応
食欲の減退、社会的孤立、うつ病、最悪の場合自殺にもつながる
これは上記3つのストレス反応との併記が適切かは微妙ですが一応
(参考:P259)
基本的には「闘争・逃走反応」を「チャレンジ反応」や「思いやり・絆反応」に置き換えることが重要となってきます。
「闘争・逃走反応」も本当に自分の身に危険が迫っている場合には、命を守ってくれる大切な反応です。
しかし、仕事や日常生活など、本来の用途と異なる場面で頻繁に発生してしまえば「ストレスは悪いもの」を裏付けてしまうような悪影響を被ることになります。
本書では「チャレンジ反応」「思いやり・絆反応」に置き換えるマインドセットも紹介されています(というかそれが本書の趣旨)ので、直接読んでみてください。
ストレスを避けると停滞する
私は「コンフォートゾーン」の調査のつもりで本書を手に取ったわけですが、そういう観点からはどうだったか?
例えばスイスのチューリッヒ大学の研究では、まず学生たちの目標に関するアンケート調査を行い、その後1か月間のようすを調べました。期末試験機関と冬休みという、1年の中でもとくにストレスの多い時期が過ぎたあとで、学生たちのようすを調べてみると、集中力や、体力や、自制心の低下がもっとも著しかったのは、「ストレスを避けたい」という願望がもっとも強かった学生たちでした。
『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』(文庫版)P.172より引用
本書ではどちらかと言えば「受けたストレスをどう受け止めるか?」というテーマが中心ですので、さらっと登場する程度でした。
しかし「ストレスを避けようとすること」の代償について述べられています。
ストレスを避けようとすることで
- 活動範囲が狭まる
- 成長する機会を逃す
- 自分の将来に限界を設けてしまう
などの代償があるとされており、これは「コンフォートゾーンに留まると停滞する」的なアドバイスと同じことを言っていると考えて良いでしょう。
そして人生に「生きがい」を感じている人は、それに伴ったストレスも同時に感じるものなのだとされていました。これはコンフォートゾーンを抜け出して挑戦するからこそ感じるストレスということでしょう。
発展を考える
コンフォートゾーンについてさらに調べたい
この本は「ストレスの受け止め方」という観点からの本でした。
とても有意義でストレスについての捉え方を変えてくれます。今後はストレスを過度に避けたり忌避するのではなく、「このストレスから何を学べるかな?」と考えるようにしたいと思いました。
ただ、私が本書を手に取った「コンフォートゾーンの調査」という観点で言えば、ちょっと目的に合っていませんでした。
先程の「ストレスを避けると停滞する」の話もあくまで本書のキーワードである「マインドセット」のためのアドバイスという形式でした。
教訓としてはとても良かったのですが、もう少し別観点からの視点が欲しいと思いましたので、もう少し継続して調べてみたいと思います。
「チャレンジ反応」の説明が答えだというならそれでもいいのですが。もう少しだけね。
関連する読書メモ
・『スマホ脳』
この本にも「闘争か逃走か」に関する記述は出て来ました。それが現代社会とかみ合っておらず、メンタル不調の原因となっているという内容でした。(ブログ記事には書いてませんが)本書『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』ではここから一歩踏み込む記述があったので、セットで読むと面白いでしょう。
気になった言葉
後日調査したらリンクを追加予定です。
- ハンス・セリス
ひとこと
ストレスに関する考え方を変えてくれる本でした。
「ストレスを積極的に取りに行く」というのもおかしな表現かもしれませんが、成長を考えるのならそういった考えも必要なのかもしれません。
「若い時の苦労は買ってでもせよ」というのはこれを伝えようとしていることわざ(慣用句?)なのでしょうね。
今後はストレスと適切な距離を持てるように一度付き合い方を考える必要がありそうです。