至る所でおすすめされているのを目にする本です。
本書では「経験の配当」、「アリとキリギリスの中間」といった考え方が示されています。
新NISAも3年目に入り、投資で増やす、節約して支出を減らすといったことにばかり気が回る人も多いと思いますが、「適切にお金を使うことの大切さ」も意識して意識していきたいと思いました。
ここでは、目に留まった要素を整理してみます。

- 著者
- ビル・パーキンス
- 訳者
- 児島修
- 出版社
- ダイヤモンド社
- 発行日
- 2020年09月
この本について
どのような本か
ジャンル
お金、自己啓発
テーマ
人生の最後に残るのは思い出であ。「自分の残り時間」を考えてお金を適切に使い、
どんな人に向いているか
- 投資、節約を頑張っている人には、次の一歩として価値があるかも
注目した要素
- 1
人生の最後に残るのは思い出
経験に投資する、経験の価値を最大限引き出せるうちにお金を使う - 2
人生の最後を見据えて計画
死ぬ前に子供に分け与える・寄付する、「タイムバケット」でやりたいことの計画 - 3
リスクを取らないことにもリスクがある
経験の価値を最大限引き出せるうちにお金を使う
所感メモ
本書を選んだ理由
書店にしてもネットにしても大きく取り上げられている場面をよく見かける本だと思います。
投資節約に励んでいる人間の一人として普段から
- どれだけお金を貯める?
- いつまで働き続ける?
- 老後に大量のお金があって何の意味がある?
という様な事を考える場面が増えてきていました。本書の存在はかなり以前から知っていたため、いよいよ読む時が来たのかもしれないと思い手に取りました。
「やりたいことを見つける」という様な内容の本を最近読んだことも要因の一つだったかもしれません。
人生は「思い出づくり」
本書では、人生の最後に残るのは「思い出」だとしています。
そして、その思い出を作っていくため、「経験から価値を引き出せる」年齢のうちに適切にお金を使って経験を買っていった方がいいという主張ですね。
こういった主張や、タイトルの『DIE WITH ZERO』(ゼロで死ね)を見ると、「子供に遺産を残すべきだろう!」と思う人もいると思います。私も同様にそう思いながら読んでいました。
しかし、先回りしてしっかりそこにも言及されていました。
一部記述を引用してみますね。
そう、私は決して「子どもたちに与えるべきお金まで含めて、死ぬ前に使い果たすべきだ」などとは言っていない。子どもたちに与えるべき金を取り分けた後の、残りの「自分のための金」を生きているうちに上手く使い切るべきだと主張しているのだ。
あなたが親なら、当然、「ゼロで死ぬ」ことの計画には子供の問題も含まれる。
まずは子どもたちのための金を取り分け(あなたはその金に手を付けてはいけない)、その後で残った金を自分のために使う。
『DIE WITH ZERO』P.115より引用
確かにここまで含めて計画を立てるべきだと言われれば、「ゼロで死ね」にも説得力が出てくるように思います。
- 経験にお金を使う
- 取り崩し開始を早める
こういった部分にばかり目が行きがちになりますが、必要な準備はきちんと終わらせたうえで、余剰資金までため込む必要はない、という様な主張というわけでした。
最初は極端な主張の本かと思っていましたが、そうではありませんでした。
リスクを取らないリスク
これは面白い考え方だと思いました。初出は本書でいいのでしょうか?違うならぜひ出所を確かめたいです。
つまり彼は、失敗するリスクより、成功によって得られるメリットの方がはるかに大きい状況にいた。このような状況を「非対称リスク」と呼ぶ。非対称リスクに直面したときには、チャンスをつかむために大胆な行動を起こすことが合理的な判断になる。極端に言えば、デメリットが極めて小さく(あるいは、失うものが何もなく)、メリットが極めて大きい場合、大胆な行動を取らないほうがリスクとなるということだ。
『DIE WITH ZERO』P.243-244より引用
仕事に限って考えても、「安定」を過度に重視し
本書は「経験」「思い出作り」を推奨する本ですので、ゆるく考えるのであれば、「状況によっては適切にコンフォートゾーンから抜け出し、自分の選択肢を狭めないようにしてこう」で良いのかもしれません。
発展を考える
じゃあ何にお金を使うのか?
ある意味本書で一番難しいのはここではないかと思いました。
- 「思い出の配当」はわかった
- 経験に賞味期限があることもわかった
じゃあいったい何にお金を使うか?
こう考えると割と何も思い浮かばない方も多いのではないでしょうか?(そんなことは無い?)
それこそ、一番経験から価値を引き出せる年齢が26-35歳だとしたら、「やりたいことをみつける」ためにその時間を消費してしまうのももったいないような気がします。
ある意味では本書で紹介されているように
- ギリシャを旅する
- 思い切って新しい仕事に就く
といったように、その時々に自分の「今」やりたいことを見つけられた人はとても幸福だと思います。おそらく本書を読んで「よし!なら経験にお金を使おう」と思った人たちも漠然と
- 家族・友人・恋人と過ごす
- 旅行にいく
- 車を買う
- 家を買う
こういった一般的な内容に行き着く場合が多いのではないかと思います。
それで死ぬ直前に後悔しないのであれば良いのですが、そういうことではないような…気がしてしまいます。
「お金を使う力」と同じくらい「やりたいことを見つける」ことも大切だと思いました。私は一体何にお金を使うことになるか…
関連する読書メモ
・『物語思考』
「やりたいこと」を考える際に今までの経験だけではなく未来にも目を向けようというないようがかかれていました。「やりたいこと」を考えるうえでは重要な要素だと思います。
・『続ける思考』
大きなきっかけは必要ないから小さく始めて続けてみること。「続ける」ことによって見えてくるものがある、「続ける」ことで自分のやりたいことが見つかる、という様な内容が登場します。「やりたいこと」を考えるうえでヒントになると思いました。
ただ、ダラダラと必要以上に続けてしまうと、「時間」という大切な資源をすり減らすことになります。それはそれで『DIE WITH ZERO』の教えに反するでしょう。
状況よって「続けるか、切り上げるか」適切な判断が必要となりそうです。
・『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』
ストレスの捉え方に関する本です。しかし、ストレスを避けるような生き方は幸福度を下げるということが言及されています。「生きがい」を持つ人は同時に「ストレス」も感じるものであり、そのストレスが成長につながるという考え方です。
本書の「リスクを取らないリスク」ともつながりそうです。
気になった言葉
後日調査したらリンクを追加予定です。
- タイムバケット
ひとこと
月並みな言い方ですが、お金に対する考え方が変わる本だと思います。
冒頭にも書きましたが、新NISAも始まり投資やお金に対する意識を改めた人も多いでしょう。
そうなると、どうしても「貯めること」「増やすこと」「使わないこと」に意識が行きがちではありますが、「使うこと」を忘れてしまうと何のためにお金を貯めているのかわからなくなってしまいますね。
まず「自分は何がやりたいのか?」を考える時間を取ることから始めてみようかと思いました。