その山を見上げて

読書と思考を積み上げていきます。

『金利を見れば投資はうまくいく』──3つの金利から景気サイクルを読む

金融系の知識を付けたいと思い本書を読みました。

本書では「金利」を介して経済状況を図ろうという視点が提示されています。

ここでは『金利を見れば投資はうまくいく』を読んで、目に留まった要素を整理してみます。

書籍情報
『改訂版 金利を見れば投資はうまくいく』の書影
『改訂版 金利を見れば投資はうまくいく』
著者
堀井正孝
訳者
-
出版社
クロスメディア・パブリッシング
発行日
2022年6月1日
※書影は出版社公式サイトより引用
目次

この本について

どのような本か

ジャンル

経済、投資

テーマ

投資における「炭鉱のカナリア」として、「金利」から景気を予測する方法を説明する

どんな人に向いているか

  • 「金利」の見方を知りたい人

注目した要素

  1. 1

    3つの金利に注目
    政策金利(短期金利)、長期金利、社債利回り

  2. 2

    3つの景気サイクルに注目
    信用サイクル、金融政策サイクル、在庫サイクルを金利から解釈できる

  3. 3

    「基軸通貨」米ドル
    米ドルを介して世界の景気は連動する

所感メモ

本書を選んだ理由

金融関係の知識を付けたいと思い本書を手に取りました。

「投資」についての本ではありますが、投資に活かしてやろうというよりは、今まで持っていなかった「世の中を知るための指標」を得られたらいいなというくらいの気持ちではあります。

3つの金利、3つのサイクル

本書で使われる3つの「金利」をここで残しておきます。

・短期金利

政策金利

一般の銀行が中央銀行に払う金利

中央銀行が金融政策で操作

景気悪:政策金利↓、景気良:政策金利↑

(P.48より)

・長期金利

10年国債の利回り

景気の影響を受ける

(P.51-52より)

・社債利回り

企業が発行する債券の利回り

企業の「信用」による資金の調達コスト

(P.53-55より)

この3種類の金利を使って「景気」を評価する方法を知ることが本書の主題となります。

その方法としては、これらの金利を使って3つの「景気サイクル」を読み解くことが説明されています。ここで詳細を書くことはしませんが、3つの景気サイクルについて簡単にまとめておきたいと思います。

・信用サイクル

景気と企業の信用力の関係サイクル

概ね10年で1周

金利↓→借入拡大→金利↑→借入縮小→……

社債スプレッド = 社債利回り - 長期金利 で評価

(P.62、99より)

・金融政策サイクル

景気と金融政策の関係サイクル

概ね5年で1周

景気回復→利上げ→景気減速→気下げ→……

長短金利差 = 長期金利 - 短期金利 で評価

(P.63、73より)

・在庫サイクル

景気と生産・在庫の関係サイクル

概ね2.5年で1周

(P.65より)

この3つのサイクルから景気を読み取れるとされています。

3つ紹介されていはいますが、在庫サイクルはそれほど触れられておらず、基本的には

  • 金融政策サイクル
  • 信用サイクル

この2つを中心に見ていくことになりそうです。

ただ、本書を読んだだけではなかなか難しく、いきなり読み解けるようになれないかもしれません。ほかにも関連する金利に関する本を何冊か読みつつ、実際のデータも追いかけながら学んでいきたいと思います。

米ドルが世界を回っている

米ドルは「基軸通貨」と呼ばれているだけあった、世界中に流れていきます。

米ドルという名前ではありつつも、中国をはじめとする新興国にも流れていき、景気の変動とともに米国に帰ってくるというサイクルを取るようです。

 米ドルと血液の流れはとても似ています。米ドルを血液に見立て、人間の体を世界、心臓を米国と考えると、各臓器が新興国といったところでしょうか。血液は体内を一周して心臓に戻ります。健康なうちはスムーズに流れますが、1ヵ所でも血管が細くなり、血液の流れが悪くなると、徐々に体調に様々な異変をもたらします。

(中略)

 米ドルがどのように流れるかを考えれば、新興国が見えてきます。

『改訂版 金利を見れば投資はうまくいく』P.119より引用

投資を考えても米国企業に投資している人は多いでしょう。(というか大半がそうかも?)

これもまた、世界経済に対する米国の立ち位置の強さや、米ドルの「基軸通貨」としての役割を評価した結果「米国企業の成長を信じている」ということですよね。

そういった意味でも、一度米ドルの流れや新興国との関係も含めて「米ドル」を中心に経済を調べてみることも必要なのだと思います。

発展を考える

投資に活かすのは難しいかも

金利から過去のリーマンショック、コロナショック等の前に「長期金利は先んじて下がり始めていた」という様な説明がされています。

(前略)「金利」は、景気の後退局面・回復局面にかかわらず、景気の変化に対し「常に警報」としての役割を担っていました。

 まさに「金利」こそが、誰よりも早く景気の異変を察知する「炭鉱のカナリア」なのです。

『改訂版 金利を見れば投資はうまくいく』P.37より引用

この視点を得られたのはとても良かったです。

先程も書きましたが、今後ももう少し「金利」に関する本を何冊か読みつつ、実際のデータも観つつサイクルを読み解けないか挑戦してみたいと思いました。

ただ、あくまでこれ1冊しか読んでいない現在の感想ではありますが、これを自分の投資に活かそうとするのはちょっと難しいような気がします。

難しいというより、「素人がやろうとするのは割に合わない」という感じでしょうか?

本書も結局のところ、プロのファンドマネージャーであった著者の経験や知識から書かれている本となっています。

  • 知識を増やしていくこと
  • 尺度として持つこと
  • 使って自分の意見を持つこと

これはとても重要だと思いますし、私も継続してやっていきます。

しかし、「この知識を使ってアクティブに運用していこう」とまで考えるのであれば、素人にはちょっと割に合わないように感じます。

我々素人はあくまで運用はプロに任せ、こういった指標や過去データは暴落時にパニックを防ぐための材料くらいに思っておくのがいいのではないか、と個人的には思いました。

関連する読書メモ

まだありません。

気になった言葉

後日調査したらリンクを追加予定です。

  • 基軸通貨
  • 長短金利差
  • 社債スプレッド

ひとこと

「金利」についてはふわっとした知識しかありませんでしたが、本書を読んだことで最低限、定義や見方を掴めたように思います。

すぐにこれらを見ながら「何かやってやろう!」というつもりはありませんが、今後ももう少し金融系の知識を付けられるよう、社会に対する新しい見方を獲得できるよう勉強していきたいと思ました。