その山を見上げて

読書と思考を積み上げていきます。

『敗者のゲーム』──”定番”となった投資の本質

「投資」の本としてはで必ずお勧めされる定番の本だと思います。

本書では、すでに定番となった「長期」「インデックスファンドへの投資」といった内容を学ぶことができます。

ここでは『敗者のゲーム』を読んで、目に留まった要素を整理してみます。

書籍情報
『敗者のゲーム[原著第8版]
』の書影
『敗者のゲーム[原著第8版] 』
著者
チャールズ・エリス
訳者
鹿毛雄二,鹿毛房子
出版社
日本経済新聞出版
発行日
2022年01月07日
※書影は出版社公式サイトより引用
目次

この本について

どのような本か

ジャンル

投資

テーマ

「敗者のゲーム」である「市場平均を上回る」という考えについて、その難しさと”負けない”方法を考える

どんな人に向いているか

  • 定番の投資手法を知りたい人
  • 既にインデックスファンドへの長期投資をしている人

注目した要素

  1. 1

    アクティブ運用は敗者のゲーム
    取引環境の大幅な変化により、”市場平均を超えることを目指す”のは敗者のゲームとなった

  2. 2

    長期思考とインデックスファンド
    適正なリスクを取り、まずまずの利益を得ることを目指す

  3. 3

    投資計画を守る
    自分の人生・投資設計を行い、それを厳守する

所感メモ

本書を選んだ理由

投資についての本を読もうと思ったら必ず名前を目にする本だと思います。

最近は新NISAによる投資への関心の高まりからか、どこの書店に行ってもこの本が置いてあったりするのではないでしょうか。

そういった、疑いようのない名著であれば一度は読んでおくべきだろうと思い、本書を手に取りました。

敗者のゲームについて

まず前提として、タイトルにもなっている「敗者のゲーム」とは何か残しておきます。

(前略)プロのテニスでは、ポイントの80%が自ら勝ち取ったものであるのに対し、アマチュアのテニスでは、ポイントの80%が敵失によるものだった。

 二つのゲームは基本的に正反対なのだ。プロのテニスは勝つためのプレーで結果が決まる「勝者のゲーム」であるのに対し、アマチュアのテニスは敗者のミスによって決まる「敗者のゲーム」なのである。

『敗者のゲーム』P.018より引用

これはテニスを事例として取り上げていますが、さまざまな事例に適用できる例えのようです。本書でも他に軍事、週末ゴルフが「敗者のゲームの事例」として挙げられています。

  • 加点方式の「勝者のゲーム」
  • 減点方式の「敗者のゲーム」

という感じでしょうか。

「敗者のゲームに参加する」ということは、自分の行動が直接結果につながらず、ライバルたちがミスをすることでしか勝ちを得られない戦いをすることになる、ということですね。

そして、株式市場の技術の発展や機関投資家の増加により、「市場平均を上回る」のを目指すという目標は、この「敗者のゲーム」に参加することと等しくなってしまっている。

 市場平均上回るという「敗者のゲーム」に勝つことは簡単である。そんなゲームに参加しないことだ。市場の現実を踏まえ、自分の投資目的を達成するため、適切な運用基本方針を策定・堅持する「勝者のゲーム」に集中することだ。

 上位4分の1の成績を上げることも簡単だ。インデックス投資をし、長期間保有し続ければいい。

『敗者のゲーム』P.252より引用

最終的な結論としては、アクティブ運用により市場を上回ることを目指して売買を続けるのではなく、世間で言われる「インデックスファンドの長期保有」を守っていくことであるという結論となっています。

現在ではかなり普及した考え方ですが、こうして繰り返しその有用性を確認し続ける事が俗にいう「投資握力」を高めることにつながっていくと思います。

投資計画の重要性

本書のもう一つの核は「投資計画」を立てることの重要性となるでしょう。

 長期の運用の基本方針を策定したら、明確に文書化し、確認しておくべきだ。その最大の理由は、その場しのぎの方針変更からポートフォリオを守るため、市場が混乱し、自分の運用方針への信頼が揺らぎそうな時、長期方針を貫き通すためである。

(中略)

 市場が悲惨な状況になると、決めた投資方針は揺らぎ、それを変更してしまうことが多い。間違った理由によって、間違ったタイミングで、間違った決定をすることはよくある。

『敗者のゲーム』P.132より引用

これは、我々個投資家が胸に刻んでおかなければならない内容でしょう。

そもそも基本保身を策定することもなく、目標のポートフォリオも漠然とした状態で投資を続けている人もいたりしないでしょうか?

とにかく運用を開始するという意味であればそれもいいでしょうが、

  • 暴落に狼狽して売る
  • 高騰を見て焦って買う

こういう一番不利な売買を繰り返していては意味がありませんので、一度方針と計画を明確にしておくことはとても有効でしょう。

まさにこれを書いている2026/3現在、イラン関係で株価が暴落している状況を受けて損切りしようとしている人、いないでしょうか?

そんな事態を避けるため、まず自分の目標と方針をしっかり持っておきたいですね。

発展を考える

株式投資における「複利効果」を調査したい

なっておきたいですね。

漠然と「企業が利益を再投資することにより、株価の成長が預金金利における”複利”と似た様相を示す」位に考えていましたが、これって正確でしょうか?

株式投資、特に本書で推奨されているインデックスファンドの長期保有を目指すうえで、資産増加を助ける最重要項目ですのできちんと説明できるようになっておきたい。

また、株式投資以外においても「複利効果」というのはよく目にしますよね。そのため、ここらで一度明確に腹落ちさせておくことも必要かと思いました。

関連する読書メモ

・『サイコロジー・オブ・マネー』

おそらく本書の内容も念頭に置いて書かれているであろう本です。お金・投資との付き合い方について、より”人生設計”という目線で書かれている本となっていると感じます。自分の投資方針を考えるうえで目を通すと得るものが大きいでしょう。

bookandthink.com

気になった言葉

後日調査したらリンクを追加予定です。

  • 平均への回帰
  • 複利

ひとこと

もはや投資の定番となった内容ですが、改めて読むと自分の投資状況や計画を振り返れる良い機会となると思います。

こういった良質な情報をしっかり押さえた行くことで、「投資握力」を高めていきたいですね。

また、本に集中して自分の資産額を確認する機、余計な売買をせずに済んで一石二鳥ではないでしょうか?