「地球科学」について漠然と広く学ぶ目的の一環で本書を読みました。
本書では、水の惑星と呼ばれる地球上での「水の役割」について内容が展開されれています。海の誕生や地球内部での循環構造など、地球規模での話が中心となっていました。
今回は『水の惑星「地球」 46億年の大循環から地球をみる』を読んで、目に留まった要素を残しておきます。

- 著者
- 片山郁夫
- 訳者
- -
- 出版社
- 講談社(ブルーバックス)
- 発行日
- 2024年11月21日
この本について
どのような本か
ジャンル
自然科学
テーマ
海の誕生、地球内部での水循環といった地球上における水の役割を考える
どんな人に向いているか
- 「水」について地球規模で学びたい人
注目した要素
- 1
地球の水の起源
詳細はまだわからないが、「原始地球が纏っていた水素とマグマや岩石中の酸素が反応した」「惑星との衝突で提供された」などの説がある - 2
海洋の循環
風、地球の自転(+コリオリ力)、塩分濃度、熱により海水が循環する - 3
炭素循環と水循環
プレートテクトニクスの働きに乗って炭素と水も地球内部で循環している
所感メモ
本書を選んだ理由
最近は「地球科学」的な内容を浅く広く学ぶため、関連する本をまとめて読むようにしています。
地球で生命が生まれた要因として「水」が液体として存在できることが重要であるという話は知っていたため、「地球における水」について取り扱う本書を選びました。
海洋の循環について
潮流の様に、海洋の水が循環しているということは知っていますが、それがなぜ起こっているのかは漠然としかしりませんでした。
本書によるとその要因となっているのは
- 風
- 地球の自転
- コリオリ力
- 熱
- 海水の塩分濃度
これらが挙げられていました。
地球の自転とコリオリ力についての記述を引用してみます。
海流の向きと強さは、海面上を吹く風と地球の自転によって決まります。地球の自転が作用するのを意外に思われるかもしれませんが、回転運動をしている環境下にある物体には、移動する方向とは直角の向きに慣性力が働きます。そのような力を転向力(コリオリ力)といい、自転している地球上を移動する大気にも働きます。
『水の惑星「地球」』P.89より引用
これにより
- 赤道付近では貿易風
- 中高緯度では偏西風
が吹き、この風と時点の影響によって海洋に海流が発生しているようです。
- 北半球:時計回り(親塩、黒潮、北赤道海流、北大西洋海流)
- 南半球:反時計回り(南赤道海流、南大西洋海流、南インド海流、南極海流)
こちらが、地球の表面に沿う方向の海水の循環の話でした。
そして、海水は地球の表面に対して鉛直方向にも海水は循環しているようです。
海洋は、表層と深層のあいだで鉛直方向の循環もしています。海水の密度は、温度と塩分によって変化し、冷たく塩分(濃度)が高いほど重たくなります。そのため南極や北極周辺にある冷やされた海水は重くなり、深層へと沈み込んでいきます。また、極域で氷ができる際に、塩は氷に溶け込まないため、海水中の塩分が高くなり密度が増す効果も加わります。
そのような海水の大規模な循環は熱塩循環と呼ばれ、暖かい海水を高緯度側へ、冷たい海水を低緯度側へ運んでいます。
『水の惑星「地球」』P.91より引用
これらの両方向の仕組みにより海洋が循環しているということになるようです。
また、特に後者の鉛直方向の循環に対してが顕著ではないかと思いますが、地球温暖化の影響がここにも及ぶことが考えられますね。
地球温暖化により極圏の氷が解け、海面が上昇しているという話は有名だと思います。それによって塩分濃度下がることで先述の濃い海水が深層へ沈み込む力が落ちるということではないでしょうか?
それによって熱の輸送が滞ると、どうなるでしょうか?
本書では「気温の南北差が大きくなる」とされていますが、もう少し調べてみようと思います。
炭素と水の循環
プレートテクトニクスの働きと合わせて、炭素と水が地球内部⇔表層を循環しているという内容も示されていました。
炭素の循環
炭素の循環の基本的な流れは以下のようになるようです。
- 大気中から酸性雨として地上に降る
- 酸性雨が岩石を分解
- 溶けた岩石成分が河川→海へ流入
- 生物活動を通じて炭酸塩鉱物として沈澱
- プレートの沈み込みによって地球内部に取り込まれる
- 火山噴火によって大気中に放出
このサイクルで炭素が地球全体を循環しているとされていました。
また、大気中の二酸化炭素が増えると温暖化が起こり、化学風化が促進される。そして、海底に炭酸塩鉱物として多くの炭素が沈澱し、大気中から二酸化炭素が減り寒冷化。その後、火山噴火によって再度大気中に二酸化炭素が増え…
という二酸化炭素量を安定化させるようなサイクルが地球規模で働いているとのことでした。
水の循環
もう一つ、プレートテクトニクスによって水も地下で循環しているとのことです。
- 海溝にてプレートの沈み込みにより亀裂が入る
- 亀裂からプレートに海水が染み込む
- マントルまで運ばれる
- マグマに溶け込む
- 火山の噴火によって地球表層まで戻る
また、火山の噴火にはマグマに溶け込んでいる水が関係しているようです。
マグマにはたくさんの水は二酸化炭素が溶け込んでおり、それらは圧力が下がるとマグマから分離して発泡します。液体の一部が気体になり体積が増えると、マグマだまりのなかに亀裂が生じます。亀裂に沿ってマグマが上昇していくと、圧力が下がってますます発泡し、地表から噴出することで爆発的な噴火が起きます。
『水の惑星「地球」』P.149-150より引用
水にしても二酸化炭素にしても本当に地球規模で循環しており、また全ての現象は影響し合っているんですね。
本当に面白いです。
発展を考える
教養の範囲で化学を
最近は「地球科学」的な内容を多く読むようになっていますが、そうなると当然
- 化学反応
- 化学変化
- 化学風化
など化学が絡んだ内容にも話が及んでいくことになります。
高校以来化学にはめっきり触れなくなってしまい、漠然と苦手意識を持ち始めていましたので一度しっかり学びなおしてみたいと思いました。
大気中の二酸化炭素、酸素の濃度・消費・放出の話は、温暖化・寒冷化についての内容に必ず現れます。
また、窒素、リン、ケイ素といった栄養塩の元の元素は生命に関する内容では頻繁に目にしますので、まずはことあたりを中心にあたってみようかと思います。
関連する読書メモ
まだありません。
気になった言葉
後日調査したらリンクを追加予定です。
- プレートテクトニクス
ひとこと
あとがきにも書かれていますが、結局現在はまだ分かっていないことが多いのだと分かりました。今後の研究の進歩に期待してアンテナを高くしておきたいと思います。
また、この系統の本を読むとやはり「人間の活動による地球温暖化」についての記述がみられます。こちらについてまとめても面白いかもしれません。