「地球科学」系の本を広く浅く読もうという一環で本書を読みました。
本書では「天変地異にもサイクルがあるのでは?」という考え方で、地球の構造、仕組、天変地異の要因の分析などが示されています。
今回は『天変地異の地球学』を読んで、目に留まった要素を残しておきます。

- 著者
- 藤岡換太郎
- 訳者
- -
- 出版社
- 講談社(ブルーバックス)
- 発行日
- 2022年08月18日
この本について
どのような本か
ジャンル
自然科学
テーマ
地球の構造から天変地異のサイクルの存在を考える
どんな人に向いているか
- 災害の原因について知りたい人
- 地球の構造について知りたい人
注目した要素
- 1
天変地異のサイクル
天変地異や大量絶滅にはサイクルがある、という研究は過去に何件か存在する - 2
ミランコビッチ・サイクル
地球の歳差運動(2.3万年)、地軸の傾き(4.1万年)、公転軌道の離心率(10万年)のサイクルで寒冷・温暖を繰り返す - 3
プルームテクトニクス
地球上の天変地異は様々な要因が連鎖して起こり、辿っていくとプルーム(マントルの流れ)に行き着く
所感メモ
本書を選んだ理由
冒頭にも書いた通り、「地球科学」についての本を広く浅く読んでみようという考えものと、本書を選びました。
特に最近は「大量絶滅」を取り扱う本を読んだばかりだったため、本書のタイトルにもある「天変地異」という言葉が目に入ったのだと思います。
「地球システム」が影響し合う
本書では天変地異の原因が考察されているわけですが、その要因は独立して存在するわけではなく互いに影響し合っているとされています。
そして本書では(なのか世間一般的に、なのか分かりませんが)、”地球システム”という名称がつけられていました。
(前略)地球とは半径約6400kmの固体の表層に、海洋と大気が取り巻いているものです。されにその外側の宇宙空間には磁気で覆われた部分があって、これら全体で一つのシステムを構成しています。これが地球システムです。
(中略)
改めて言えば地球システムとは、地球の外側から磁気圏、気圏、水圏、固体地球圏(地殻、マントル、核)といった、まとまりをもつスフィア(圏)が寄り集まって成り立っているものです。
(中略)
重要なのは、これらスフィアは独立しているわけではなく、それぞれの間でエネルギーと物質が行き来があることです。どこかのスフィアで異変が起こったら、それがシステム全外に伝搬し、影響を及ぼすのです。
『天変地異の地球学』P.95-96より引用
この地球システムが持つどこかの「スフィア」に異変が起き、そしてその影響を受けた別の「スフィア」にも異変が起き…
といった流れで起こった一連の流れの部分なり、全体なり感じ取って影響を、我々人間が「天変地異」と捉えているということになりそうですね。
本書でも天変地異の例として
- 台風
- 大雨
- 雷
- 豪雪
- 干ばつ
- 地震
- 噴火
などが「地球」の内的要因で起こるものとして挙げられていますが、これらも全て地球システムとスフィアで説明がつくのでしょう。
サイクルを読み解けるか
続いて本書のテーマとして「天変地異にサイクルが存在するのではないか」というものが挙げられています。
実際に、そういった研究結果を発表した研究者も過去何人も存在しているようです。
ここでは個人的に印象に残った”サイクル”を2つ残しておきます。
ミランコビッチ・サイクル
寒冷と温暖は一定の周期で繰り返し起きるとする説です。
- 2.3万年:地球の歳差運動の周期
- 4.1万年:地軸の向きが変化する周期
- 10万年:公転軌道が変動するサイクル
これら3つの周期の組み合わせで地球環境も影響を受けるとする説です。
該当部分を引用してみます。
3つの条件の違いが太陽からの光の量に影響を与え、結果として地球の気候に影響を与えることになる、という考えがミランコビッチサイクルです。
この周期は、海底や湖底の堆積物から得られた酸素同位体比による曲線から求めた寒暖の周期とよく一致します。約2万年、4万年、10万年という3つの周期の最小公倍数は20万年となり、これは氷河の発達や、気候の寒冷化のサイクルともよく一致しています。そして、ミランコビッチ・サイクルは、慣例と温暖が繰り返す気象現象を、太陽からのエネルギーという外因によるものと考える点で、地球システムの考え方にも合致しています。
『天変地異の地球学』P.104より引用
プルームによるサイクル
もう一つが”プルーム”によるサイクルです。
生物の絶滅が起こったのは、海洋無酸素事変が起きたからだ、海洋で事変が起きたのは、超大陸が出来たり分裂したりするからだ、超大陸ができたり分裂したりするのは、プレートが移動しているからだ、プレートが移動しているのは、中央海嶺からマグマが出ているからだ、中央海嶺からマグマが出ているのは、マントルが対流しているからだ、マントルが対流しているのは、温度の違いによってプルームが発生しているからだ、というわけです。
『天変地異の地球学』P.191より引用
プルームというのは、マントルの流れのことだそうです。
プルームには熱いプルームと冷たいプルームがあり、
- 冷たいプルームが沈み込み
- 熱いプルームが立ち上がる
この「マントル対流」がすべての流れの始まりとされています。
発展を考える
「プレートテクトニクス」について調べたい
何度も書いている通り、「地球科学」系の本を広く浅く読んでみようという考えの元何冊か本を積み重ねてきています。
その上で今のところ登場率100%なのが「プレートテクトニクス」に関する内容です。
まあ、地球科学の本なので考えるまでもなく当たり前ではあるのでしょうが…
他にも
- 海
- 水
- 二酸化炭素
- 火山噴火
- 酸性雨(海洋の酸性化)
こういった内容も現状毎回見ているような気がします。
引き続き本を読んでいきますが、最終的にこれらの内容を自分なりに関連付けて説明できるよう結論的なまとめが出来たらいいなと思っています。
関連する読書メモ
・『超巨大噴火と生命進化』
過去5回(+1回)の大量絶滅と火山の関係を述べた本となっています。火山を取り扱いますので、当然本書でも出てきた「プレート」「プルーム」などの内容も登場していました。やはり解説する人によって捉え方が異なっているのがわかり比較しながら読むと面白いかもしれません。
・『水の惑星「地球」』
こちらもやはりプレートや火山に関する内容が登場しています。「水」を主体としてみてもやはりこれらの内容に突き当たるということは、「天変地異の原因をたどるとプルームにたどり着く」というのも納得出来るような気がします。
気になった言葉
後日調査したらリンクを追加予定です。
- エルニーニョ
- プルーム
ひとこと
本書ではプルームが大きく取り上げられていましたが、それ以外の要素も”地球システム”としてすべて相互に影響し合っているのだと思います。
プレート、気象、海、山など、もう少し地球科学系の本を読んでみます。