「地球温暖化」を考える上でヒントになる内容があるかと思い本書を読みました。
本書では温暖化によって日本の山に起こった変化がまとめられていました。。
今回は『温暖化で日本の山に何が起こっているのか』を読んで、目に留まった要素を整理してみます。

- 著者
- 岡山泰史
- 訳者
- -
- 出版社
- 山と渓谷社
- 発行日
- 2026年03月12日
この本について
どのような本か
ジャンル
自然科学
テーマ
地球温暖化の影響で山に起こっている変化について考える
どんな人に向いているか
- 山の生態系について知りたい人
- 地球温暖化の影響を知りたい人
注目した要素
- 1
植物の種類が減っている
気候変動による生息域の縮小、シカによる食害、観光客による摘み取り - 2
鹿の増加による被害
鹿による食害が増加。鹿と植物との共倒れの危険も - 3
保護が効果的に働いた事例
雷鳥の保護、御嶽山の登山道の再生
所感メモ
本書を選んだ理由
最近地球科学系の本を何冊か読んでいます。
そうすると必ず「人間活動による地球温暖化の影響」に関する内容に出くわします。今のところ100発100中です。
そのため、一度地球温暖化の影響についてもしっかり調べておくべきだろうと考え、本書を読むことにしました。
マイクロプラスチックによる汚染
直接地球温暖化とは関連しない内容ではありますが、とても印象的だったため残しておきたいと思います。
”マイクロプラスチック”についてもニュースで耳にいしない日はない…とまで言ってしまうと大げさですが、特に海洋生物の話題では必ず耳にしますよね。
しかし、本書では海に限らず山、地球上を循環してしまっているという話もありました。
海から水蒸気が発生し、雲となり、やがて雨や雪となって地上に降り注ぐ。この「大気循環」と呼ばれる地球規模の流れに乗って、マイクロプラスチックはぐるぐると世界を回り続けている。その間、微生物や動物が食料と間違えて食べてしまうこともあれば、体内に蓄積し続ける事で市に直結することもあるが、その過程を経てもなお分解されないのがマイクロプラスチックのやっかいなところだ。
マイクロプラスチックを含む水は、ときにエベレストに降り積もる雪となり、深海1万メートルを超える深海の堆積物となり、北極圏では雪から氷となって蓄積される。地球上のあらゆるところへマイクロプラスチックは拡散し、循環し続けているのだ。
『温暖化で日本の山に何が起こっているのか』P.77-78より引用
”環境保全”というと、地球温暖化やその原因となる二酸化炭素の排出量についてばかり目が行きがちではありますが、こちらもまた何か手を打たなければならない内容ですね。
ウミガメはイルカといった海洋生物の体内からポリ袋が発見される、人間の肺からマイクロプラスチックが出たという様なニュースも耳にします。
丁度これを書いている2026/4にはイラン情勢の関係で原油の輸入が止まり、石油製品の原料不足や高騰が叫ばれています。
”脱プラスチック”というのも今後進めていかなければならない内容なのかもしれません。きっとそういった研究もされているはずです。一度調べてみたいと思います。
シカの増加と食害対策
「シカが増えている」という話はよく耳にすると思います。
また、シカが増えることによって貴重な植物が食べられてしまうという部分までセットで報道されると思います。
やはり、山の話題を取り上げるにあたってシカの影響は大きいようで、何度も話題に上がっていました。
シカが爆発的に増えたのは、死亡率の低下と繁殖率の向上が理由だ。
環境省のレポート『いま、獲らなければならない理由』(2021年3月)によると、シカの死亡率が近年、低下している理由は5つある。
①積雪量の減少(温暖化による)
②造林や草地造成などによる餌となる植生の増加
③中山間地域の過疎化などにより生息適地である耕作放棄地の拡大
④狩猟者の減少
⑤捕獲のための規制緩和の遅れ(2007年までメスの禁猟など)
じつはシカは積雪に弱く、冬季は子ジカの死亡率が高い。ところが近年の温暖化で積雪量が減り、繁殖率が高止まりしているのだという。
『温暖化で日本の山に何が起こっているのか』P.54-55より引用
全てが温暖化の生というわけではなさそうですが、要因としてはバッチリ上がってきていますね。
温暖化では何となく「生物は減る傾向にある」と直感的に思いがちでしたが、このシカの事例の様に必ずしもそうでは無かったようです。
ただ、このシカの増加が植物の生存を脅かすほどにまで達しているというのであれば、それは立派に「悪影響」と言えますね。
どちらにしても特定の生物だけが爆発的に増えるというのは自然のバランスを崩す要因となるということに間違いは無さそうです。我々人類もまたそうなのかもしれません。
話は戻り、シカの対策も取り上げられています。
個体数管理の基本は捕獲で、猟友会やプロのハンターの協力を得て行われており、報奨金制度もある。防鹿柵が高山植生の回復を促している事例は南アルプス以外にも数多く、北アルプス、尾瀬、日光、丹沢、箱根、伊吹山など、各地の山で設置されている。柵の設置条件や積雪期の後のメンテナンスなど課題はあるが、一定の成果を収めている。
また、植生が失われたせいで土壌流出が激しいところでは、ヤシの木の繊維で作られた生分解性の「ヤシマット」などで流出を抑え、植物の芽生えや定着を促すことにも成功している。
『温暖化で日本の山に何が起こっているのか』P.56より引用
ヤシマットの話はとても面白いですね。
土壌の流出対策として、そして植物の定着のためにも使用するというのは大変興味深いですし、他にも似たような用途で使えないか?と思ってしまいますね。
ヤシマットを用いることによる悪影響はないのでしょうか?
もし無いのであれば、これも立派な成功事例と言えるでしょう。こういった話も少しずつ調べて事例集的に覚えておき、役立てていきたいです。
発展を考える
保護の成功事例もあり
私的要点3に書いた通り、本書では生物の保護策が成功した事例がいくつか紹介されていました。
- 雷鳥の保護
- 御嶽山のミズゴケ層の再生(兆候が見えた)
結局のところ、根本原因である地球温暖化が今も進行し続けている以上、ジリ貧の状態であるとしか言えないでしょう。
とはいえ、人間活動による影響が大きいのは疑いようのない事実ですので、少しでもその影響から回復させられるような策を取りづつけるしかないのでしょう。
これからも引き続き地球温暖化やその対策について調査を続けていきたいと思います。様々情報を集めていけば自分一人にできることも見つかるのではないかと思っています。
関連する読書メモ
・『森が消えれば海も死ぬ』
本書はどちらかと言えば、人間が森を切り開いてしまったことに関する言及のほうが強いですが、植林による海の生態系再生の事例が紹介されています。また、「土壌流出」と森の関係についても記載されていますので、それもまた読む価値があるでしょう位。温暖化によるマイナスの影響を知ることも大切ですが、どのような策がどのような成果をもたらしたかも知っておきたいと思います。
・『大量絶滅はなぜ起きるのか』
過去5回の大量絶滅のうち、三畳紀末の絶滅の原因について探る本です。そして、原因は違えど、大量絶滅と二酸化炭素や地球温暖化との関係は切っても切れないものです。このまま温暖化が進行したらどうなるか?の最悪のシナリオとして知っておきたいと思います。
気になった言葉
後日調査したらリンクを追加予定です。
- 土壌流出
ひとこと
このブログで取り上げたもの以外にも様々な影響が紹介されていました。
環境問題について関心があるなら一度読む価値があると思います。
また、悲観的な内容で終わらず
- どう対策するか?
- どのような取り組みがあるか?
- どのような成果が挙げられているか
も少しずつですが取り上げられており、とても有意義だと思いました。
ただ、先ほども書きましたが根本原因である地球温暖化が進行し続けている以上、気休めにしかならないのかな?とは思ってしまいます。
一個人にもできることを探して取り組んでいきたいです。