「日本の地理的条件」を知りたいと思い本書を読みました。
本書では、まだ解明されていない内容も多い「フォッサマグナ」の成り立ちについての考察が提示されていました。
ここでは、『フォッサマグナ 日本列島を分断する巨大地溝の正体』を読んで、目に留まった要素を残しておきます。

- 著者
- 藤岡換太郎
- 訳者
- -
- 出版社
- 講談社(ブルーバックス)
- 発行日
- 2018年08月22日
この本について
どのような本か
ジャンル
自然科学
テーマ
”フォッサマグナ”という、未解明の謎が多い構造の成り立ちを考える
どんな人に向いているか
- フォッサマグナから日本の地理的要因を考えたい人
注目した要素
- 1
フォッサマグナ
本州に存在し日本を東西に分ける巨大地溝。1885年ドイツの地質学者ナウマンが提唱 - 2
フォッサマグナを作った要素
成り立ちは未解明だが、フォッサマグナを形作った要素をとしてスーパーホットプルーム、オラーコジン、海溝三重点の影響が考えられる - 3
フォッサマグナの影響
地震、火山噴火、地滑りなどのリスクあり。また、生物地理区にもなっている
所感メモ
本書を選んだ理由
最近地球科学関連の本を何冊か読んでおり、「日本の地理的条件」についても少しずつ知っていきたいと思ったためです。
また、同じ著者の『天変地異の地球学』を読んでいたことも要因の一つでした。
”フォッサマグナ”とは?
そもそも、”フォッサマグナ”とは何か?というところからです。
私も名前以外詳細は知りませんでしたので、ここで残しておきます。
あらためていうと「フォッサマグナ」とは、本州の中央部の、火山が南北に並んで本州を横断している細長い地帯のことを言います。ナウマンはフォッサマグナの範囲として、日本海側の新潟県糸魚川市~高田平野付近から、太平洋側の静岡県旧清水氏(現・静岡県清水区)~神奈川県足柄平野付近に至るまでの広い地域を指しています。
『フォッサマグナ 日本列島を分断する巨大地溝の正体』P.34より引用
発見したのはドイツ出身の地質学者のナウマンでした。(「ナウマンゾウ」の発見者)
他、フォッサマグナの特徴を残しておくと
- このフォッサマグナによって日本は東西に分断されている
- フォッサマグナの東西で地質的な特性も全く異なるとのことです。
- フォッサマグナ形成の段階でたくさんの火山ができた
- フォッサマグナ形成と同時に断層がつくられ、地震・地滑りが起こる
- 生物地理区に「フォッサマグナ地区」が存在
本書だけでは「フォッサマグナがあることによって日本にどんな影響が発生しているか」の内容が若干弱いように感じましたので、もう少し調査してみたいと思います。
フォッサマグナ誕生も結局”プレート”か?
結局のところ、フォッサマグナがどのように形成されたのかは解明されておらず、本書で提唱されているのもあくまで仮説とはなっています。
とはいえ、日本の地理的要因から考えてまず間違いなく影響を与えたであろう存在がやはり”プレート”となりそうです。
- ユーラシアプレート
- 北米プレート
- 太平洋プレート
- フィリピン海プレート
そして、プレートの動きを作り出している要素である”プルームテクトニクス”でしょうか。大きく対流する”スーパープルーム”によって日本海が形成された、という説があり、この日本海形成により現在の日本列島にあたる陸地が押され、フォッサマグナの形成の一員となったのでは?とされていました。
他、本書では推論扱いということになっていますが、フォッサマグナの形成・維持に影響したのではとされている要素を残しておきます。
- オラーコジン:プルームの上昇でマグマが噴出し、地殻が「Y」型に裂け、その2方向が広がり海、1方向が閉じて山を作ったとする説
- 海溝三重点:北米プレート、フィリピン海プレート、太平洋プレートの3つが1点で交わる房総沖の海溝三重点
引き続きフォッサマグナ研究の進歩に期待しつつ、これらも日本の地形を考えるヒントとして覚えておきたいと思います。
発展を考える
”ジオパーク”とフォッサマグナ
本書ではフォッサマグナを感じられる場所として、日本各地にある”ジオパーク”が紹介されていました。
そもそもジオパークというもの自体今まで知りませんでしたが
ジオパークとは、地球科学的意義のあるサイトや景観が保護、教育、持続可能な開発のすべてを含んだ総合的な考え方によって管理された、1つにまとまったエリアです。
…と言われてもよく分かりませんね。
本書での解説としては
ジオパークに選ばれるには、地質学的に重要であることに加え、考古学的、生態学的、あるいは文化的のいずれか一つに価値があることが条件となっています。歴史や文化も評価されるのです。そして、環境や資源を将来につなぐために人々の意識を高める教育に資する場所であることも求められます。世界遺産との違いは、世界遺産は「保存」が、ジオパークは保存だけでなく「教育」が重視されているという点です。
『フォッサマグナ 日本列島を分断する巨大地溝の正体』P.31より引用
結局のところ、「地球科学について学べる場所」でしょうか?
本書のテーマは「フォッサマグナ」ですので、これに触れられる日本のジオパークが7か所紹介されています。
- 糸魚川ジオパーク:新潟県、フォッサマグナミュージアム、糸静線を見られる
- 南アルプスジオパーク:長野県、中央構造線周辺の岩石を展示
- 下仁田ジオパーク:群馬県、「日本列島の誕生をひもとく根無し山」がテーマ
- 伊豆半島ジオパーク:静岡県、伊豆・小笠原弧の火山島、放射状の柱状節理
- 箱根ジオパーク:神奈川県、「生命の星・地球博物館」、箱根火山
- 男鹿・大潟ジオパーク:秋田県、日本海発達の過程を示す一連の地層
- 山陰海岸ジオパーク:鳥取・京都・京都、日本海発達で西日本に起こったイベントを示す露頭
これらジオパークの配置を見ているだけでも、何となくフォッサマグナの概要が見えてくるような気がします。
機会があればどこかのジオパークを訪れてみたいと思います。
関連する読書メモ
・『天変地異の地球学』
同じ著者の本です。こちらは「災害」をテーマにした本ですが、やはり地球の構造を考え始めるとどうしても「プレートテクトニクス」「プルーム」等の内容が被ってきています。
気になった言葉
後日調査したらリンクを追加予定です。
- プレートテクトニクス
- プルーム
ひとこと
本書ではどちらかというと「フォッサマグナがどう形作られたか」を考察するような内容が中心となっているため
- フォッサマグナとは
- どんな影響を与えているのか
- 何がすごいのか
といった内容を知りたい場合には先に別の本を読んだ方がいいかもしれません。
今後も、もう一冊くらいフォッサマグナに関する本が無いか探してみようと思います。