その山を見上げて

読書と思考を積み上げていきます。

『三つの石で地球がわかる』──”岩石”の入門編

地球について調べると必ず遭遇する「岩石」について知りたいと思い本書を読みました。

本書では「橄欖(かんらん)岩」「玄武岩」「花崗岩」という3つの視点から岩石の基礎を学べる本となっていました。

今回は『三つの石で地球がわかる』を読んで、目に留まった要素を残しておきます。

書籍情報
『三つの石で地球がわかる 岩石がひもとくこの星のなりたち』の書影
『三つの石で地球がわかる 岩石がひもとくこの星のなりたち』
著者
藤岡換太郎
訳者
-
出版社
講談社(ブルーバックス)
発行日
2017年05月17日
※書影は出版社公式サイトより引用
目次

この本について

どのような本か

ジャンル

自然科学

テーマ

地球の構造と密接に関係する「橄欖岩」「玄武岩」「花崗岩」という3つの石を通して岩石について学ぶ

どんな人に向いているか

  • 岩石学習入門者

注目した要素

  1. 1

    3つの石
    地球で最初につくられマントルを形成する「橄欖岩」、橄欖岩から生まれ海で作られる「玄武岩」、最も身近な「花崗岩」

  2. 2

    酸素とケイ素
    石の基本は酸素とケイ素の結合。そこに水や鉄、マグネシウムなど他の物質が混ざることで別の石となる

  3. 3

    地球の誕生と石
    マグマオーシャンが冷えて橄欖岩→部分溶融で玄武岩(プレート形成)→プレートによって地球内部に水が運ばれる→噴火で地表にマグマが出て陸を形成→プレートテクトニクスによる衝突や高温で花崗岩

所感メモ

本書を選んだ理由

最近地球科学系の本を何冊か読んでおり、そうすると必ず遭遇するのが「岩石」の話でした。

そのため、少しずつ岩石についても学習していきたいと思い本書を読みました。

また、特に意識したわけではないのですが、著者の藤岡換太郎さんの本が続いているため、この際全部読んでやろうと思ったことも要因です。

3つの石の概要

先程から何度も書いている通り、本書では

  • 橄欖岩
  • 玄武岩
  • 花崗岩

という3つの石を通して説明が展開されていきます。

超簡単に概要をまとめておきます。

①橄欖岩

・純度の高いものは緑色(ペリドット)

・地球全体の体積のうち82.3%を占めるが、マントルの中に存在しており地表で見ることは少ない

・地表では、水と反応した「蛇紋岩(じゃもんがん)」として目にする

・蛇紋岩はマグネシウムを多く含み、その土壌で育った米はおいしい!

②玄武岩

・黒い

・地球全体の体積のうち1.62%を占める

・橄欖岩でできたマグマが冷えて固まってできる

・海嶺から出たマグマが冷えて玄武岩となり、海底地殻を作った

・玄武岩質マグマは粘性が低く、薄く広がった地形をつくる

③花崗岩

・白い

・地球全体の体積の0.68%

・大陸は花崗岩でできている

・石垣、墓石、道祖神などすべて花崗岩でできている

・硬いが、割れやすく加工しやすい

・玄武岩質マグマが変質して安山岩質マグマとなり、さらに結晶分化で花崗岩(Iタイプ)

・プレートの衝突・沈み込みによる熱と圧力で堆積岩が編成し花崗岩(Sタイプ)

地球を構成する3種の石

先ほど書いた通り、これら3種類の石は地球全体の体積の84.6%を占めていることになります。(橄欖岩:82.3%、玄武岩:1.62%、花崗岩:0.68%)

また、それぞれ地球では

  • 橄欖岩:マントルの形成
  • 玄武岩:海底の地殻を形成
  • 花崗岩:大陸を形成

ということで、まさに地球を構成しているといっても過言ではない3種類ということになりますね。

(前略)大陸地殻が、海洋地殻の上に乗っかっているという関係にあります。それぞれの密度を比較すると、大陸地殻は2.7g/cm3くらいで、海洋地殻は3.0g/cm3くらいです。これは石でいえばまさに、花崗岩と玄武岩の密度に相当しています。そして、マントルをつくる橄欖岩は密度が3.3g/cm3です。したがって地球の構造としては、橄欖岩の上に玄武岩が乗り、その上に花崗岩が載っている状態が、重力的に一番安定しています。

『三つの石で地球がわかる 岩石がひもとくこの星のなりたち』P.189より引用

これは覚えておきたい事実です。

本書によってこれら3種の石を覚え、そしてその過程で生成される

  • 安山岩
  • 蛇紋岩
  • デイサイト
  • コマチアイト
  • 堆積岩

などを押さえるだけでもかなり岩石に詳しくなったような気がします。とはいえ、あくまでこれだけと言えばこれだけですので、引き続き学習していきたいです。

発展を考える

岩石についてさらに学びたい

本書は地球の誕生から関わってくる主要な3種の岩石やその周辺にいる石の大枠を掴めるため、岩石についての学習の入門編としてとても良かったと思います。

引き続きさらに岩石について学んでいきたいと思いました。

また、以前からこういった内容に触れた際に必ず書いていることですが、教養の範囲で化学についての内容を学んでおきたいと思いました。

本書でも結局「岩石の基本はケイ素と酸素だ」という様な内容が登場し、イオン結合の話にも触れることになっていきました。

そのため、高校時代を思い出しつつ化学について復習してきたいです。

とは言いつつ、こういった地球・岩石・気象という様な現在興味を持っている内容を学びながら身に着けていく、というのもまた贅沢な勉強の仕方かもしれないな…とも思っています。今更急ぐこともないですからね。

関連する読書メモ

・『天変地異の地球学』

災害の原因を考え、サイクルを読み解こうとする本です。地球の災害の一番大きな要因として「プルーム」(マントルの流れ)を挙げており、プレートテクトニクスもがっつり関わってくるため本書に内容も役に立つと思います。

bookandthink.com

・『フォッサマグナ』

日本の本州に存在する大地溝「フォッサマグナ」の誕生を読み解こうとする本です。本書の内容が直接生きることは無いかもしれませんが、地質的な考察には「岩石」の知識は必要です。

bookandthink.com

気になった言葉

後日調査したらリンクを追加予定です。

  • 岩石

ひとこと

岩石については中学校以来で、ほぼ初学者同然の知識しか残っていなかったため、本書は入門編として楽しく学べてとても良かったです。

特に今まで読んで来たプレートや地球の誕生といった内容と結び付けて知ることができるので、ブルーバックス様々といった感じです。

こういう本ともっと早く出会えていたら…と思ってしまいます。