その山を見上げて

読書と思考を積み上げていきます。

『山はどうしてできるのか』──山もまた循環している

「地球科学」について学ぶ一環として本書を読みました。

本書では、山の形成やプレートテクトニクスとの関わり、地形の輪廻といった視点が提示されています。

今回は『山はどうしてできるのか』を読んで、目に留まった要素を残しておきます。

書籍情報
『山はどうしてできるのか』の書影
『山はどうしてできるのか』
著者
藤岡換太郎
訳者
-
出版社
講談社(ブルーバックス)
発行日
2014年04月04日
※書影は出版社公式サイトより引用
目次

この本について

どのような本か

ジャンル

自然科学

テーマ

「山」がどのように作られるかを考える

どんな人に向いているか

  • 地球の成り立ちを知りたい人
  • プレートテクトニクスの影響を知りたい人

注目した要素

  1. 1

    プレートとプルーム
    プレートによる断層活動と大陸衝突、プルームによるプレート移動

  2. 2

    山のでき方
    断層運動、付加体の成長、大陸衝突、風化・浸食、アイソスタシー、泥火山、火山活動

  3. 3

    山の循環
    山が風化して削られる→河川に運ばれる→海溝に体積→プレート運動とともに陸を形成→また削られ→…

所感メモ

本書を選んだ理由

最近、「地球科学」的な内容の本を広く浅く読むようにしており、その一環として本書を読みました。

先日、同じく藤岡換太郎さんの書かれた同シリーズの本である『海はどうしてできたのか』を読んだため、その前作にあたる本書も読んでみようと思いました。

bookandthink.com

山のでき方

本書の主題である山のでき方について、紹介されている内容を超簡単にまとめておきます。

①断層運動

地震による断層が動き、それを繰り返すことで山がつくられる

比叡山、六甲山地、東アフリカの大地溝帯

②付加体の成長

海嶺でできたプレートが海溝に近づくとプレートに載っていた堆積物と、陸から運ばれてきた堆積物が混ざる。この堆積物がプレートの沈み込み部で海側のプレートの押されて積み重なる。これを繰り返して付加体が成長し、海底→海面→陸になっていく。

③大陸衝突

陸のプレート同士がぶつかると、両プレートとも軽いため沈み込みが起こらず、その上に溜まった堆積物を押し上げながら山を作る。

④風化・浸食

地形が浸食を受け削れて行き、逆に侵食を受けなかったところが残って山になる。

⑤アイソスタシー

アイソスタシー(Isostasy):地殻平衡、地殻はその下にあるマントルに浮かんでいる山が高いほど、その地下にある物質も深くまで存在する。

氷河期にできた氷河が流れ落ちた後、氷河におおわれていた地域が一斉に隆起をはじめ山を作った。

⑥泥火山

地下に溜まっていた泥が火山の溶岩の様に地表に噴出し、その泥がたまって山ができる。

⑦火山活動

火山噴出物が大量に積み重なり山を作る。

マグマの性質によって火山噴火の仕方が異なり、それによってできる山のかたちも異なる。

⑧花崗岩、蛇紋岩、石灰岩の山

地下で作られた岩石が地表まで上昇し山を作る。

・花崗岩:プレート沈み込み部で作られた花崗岩が密度の違いにより上昇

・蛇紋岩:プレートが持ち込んだ水で橄欖岩が編成し、密度の違いにより上昇

・石灰岩:海溝に運ばれたサンゴ礁が陸側に堆積・変成し、山を作る

本書の内容だけでは理解しきれない部分もたくさんありましたので、もう少し別の本の説明も比較しつつ落とし込んでいきたいと思います。

山の循環

本書では山のでき方の他に、プレートテクトニクスに合わせて山も循環しているという様な内容もありました。

面白かったので残しておきます。

富士山の循環についての説明を引用してみます。

(前略)

実は、富士山にともった白雪だけでなく、富士山が削られた土砂もエンドレスに循環しているのです。三島に注ぐ藤川の後背地には日本アルプスがあります。その山々から削剥されて富士川に流れ込んだ土砂は駿河湾に運ばれます。駿河湾の海底に流れ込んだ土砂は南海トラフに運ばれます。南海トラフにたまった堆積物は付加体をつくり、やがて陸をこしらえます。四国の南半分の山脈です。山脈は隆起した分が削剥されて、その土砂はまた川に運ばれ、やがて海へ、そしてトラフへ……(中略)

山はこのように、削られ、運ばれ、堆積し、また山になるのです。

『山はどうしてできるのか』P.224

山のでき方の大半にはプレートテクトニクスが関連しているようです。

そのため、プレートが地球を循環しているのであれば、それに伴って山も循環しているということでしょうか。

  1. プレートが沈む
  2. 堆積物が陸側へ押し上げられる
  3. 付加体を形成し山となる

また、沈み込んだプレート内部でも

  1. 沈み込んだプレートが水を持ち込む
  2. マントルの橄欖岩が蛇紋岩となる
  3. 蛇紋岩、花崗岩を作り、上昇して山となる

このあたりの流れを押さえると、循環を理解するカギとなりそうです。

発展を考える

「プレートテクトニクス」「海溝」は最重要か

以前からこの系統の本を何冊か読んでいますので、何となく察していたことではありますが、地球科学的な内容において

  • プレートテクトニクス
  • 海溝
  • 火山

これらの重要性はとても大きいことが分かりました。

また、このシリーズではこれから発展して

  • ウィルソンサイクル(大陸移動)

これの影響もかなり取り上げられています。

これらについて、さらに知るべく専門性の高い本にも挑戦してみようかと思います。

また先述の通り、最近読んでいたのはすべて同じ著者の本でしたので、別の方の書かれた同じ内容の本を読み比べ、どのような点に重きを置いて解説されているかを考えるのもいいかもしれません。

ブルーバックスだけでもまだまだたくさん類似の本がありそうですので、これからも読んでいきます。

関連する読書メモ

・『海はどうしてできたのか』

本書と同じシリーズの本です。刊行順としては山→海のようですので、この順に読んだ予報が良かったかもしれません。この記事中でも少しだけ触れましたが、海の形成にも陸の存在は大きく関わっており、すべてつながっていることが分かります。

bookandthink.com

・『三つの石で地球がわかる』

同じ著者の本で、地球の体積の80%以上を占める「橄欖岩」「玄武岩」「花崗岩」について取り上げた本です。これらは地球を構成する中心となる石であり、同時に山も岩石でできているわけですので、内容はかなりつながってきます。併せて読む価値ありです。

bookandthink.com

気になった言葉

後日調査したらリンクを追加予定です。

  • プレートテクトニクス
  • 海溝

ひとこと

山のでき方についての本でした。とてもやさしく説明されているのであろうことは伝わってくるのですが、しっかり細部まで理解しようとするとかなり難しいと思います。

そして、山のでき方を理解する伴ってやはり火山やプレート、海溝、岩石といった内容も必要となります。

このあたりの知識も持っていないとなかなか理解するのが難しいと思いますので、引き続き学習し続けようと思います。