「気候変動」について調べる一環として本書を読みました。
本書では、日本列島の誕生や現在の日本の気候ができるまでの過程、その調査といった内容が示されていました。。
今回は『日本の気候変動5000万年史 四季のある気候はいかにして誕生したのか』を読んで、目に留まった要素を残しておきます。

- 著者
- 佐野貴司,矢部淳,齋藤めぐみ
- 訳者
- -
- 出版社
- 講談社(ブルーバックス)
- 発行日
- 2022年09月14日
この本について
どのような本か
ジャンル
自然科学、歴史
テーマ
日本列島の形成と、現在の日本の気候ができるまでの過程を学ぶ
どんな人に向いているか
- 日本の気候変動について知りたい人
注目した要素
- 1
日本列島の形成
ユーラシア大陸から分離し、現在の列島となったことで独自の気候を持つようになった。 - 2
ヒマラヤ山脈・チベット高原の形成
インド亜大陸がユーラシア大陸に衝突したことで形成された。日本列島の分離、日本の気候の形成まで大きな影響を与えている。 - 3
モンスーンの開始
2300万年前ごろのヒマラヤ山脈・チベット高原の形成によって開始。冬季モンスーン+日本海の存在により日本は湿潤
所感メモ
本書を選んだ理由
「気候変動」について調べる一環として本書を読みました。
また、気候変動は間違いなくその当時の人類の文化形成に影響を与えているはずだと思います。そのため、「気候の変化」を尺度として持っておくのは有効ではないかと思いました。
5000万年史をざっくり
本書の主題である「気候変動5000万年史」をざっくりまとめて残しておきます。
①5000万年~4500万年前
日本列島はまだユーラシア大陸の一部。温暖で梅雨も冬の降雪もない気候で、九州の一部には乾燥気候の影響もあり。
②4000万年前以降
寒冷化開始。冬の気温の低下により温暖な気候を好む植物が減少し、ブナの仲間・カエデ類など落葉広葉樹の先祖が登場。
③2800万年前以降
日本列島がユーラシア大陸から分かれ、200~300万年周期で5~6℃の気温変動を繰り返す。
④2300万年前以降
モンスーンの開始。インド亜大陸がユーラシア大陸に衝突したことでヒマラヤ山脈とチベット高原が生成される。
⑤2000~1800万年前
日本列島がユーラシア大陸から離れ、日本海が大きく成長した。周囲を海に囲まれることで固有の気候に支配されるようになる。また、列島の北から南にかけての温度差が生じ始める。
⑥1600万年前
「中期中新世再温暖期」と呼ばれる急激な温暖化が起こる。日本にも熱帯や亜熱帯に見られる植物が生える。
⑦1500~1300万年前
寒冷化が進行していたが、現在の日本より気温は高い。
⑧1300~800万年前
寒冷化が止まり、現在とほぼ同じ平均気温が500万年ほど続く。
⑨800万年~530万年前
再び寒冷化が始まる。冬季モンスーンが強化され、夏と冬の温度差が拡大した。四季が誕生したのもこの頃と考えられている。そして、530万年前に一時的な温暖化が発生。
⑩440~400万年前
「鮮新世温暖期」と呼ばれ、気温が高かった。日本列島の南北の気温差が現在よりもずっと小さかった。
⑪300~260万年前
地球規模の寒冷化により、日本列島も気温が下がる。鮮新世温暖期に反映した植物が姿を消し、代わりにスギやサワラなどが定着した。
⑫1万7000年前
日本列島の気温が上昇してくる。北半球の氷床・氷河の融解により世界的に海水準が上昇し、日本にも影響が波及する。
⑬現在
260万年前に始まった第四期氷河時代の間氷期にあたる。モンスーンの影響を受けた梅雨と多雪により湿潤な気候に支配されている。
5000万年史というだけあってとても長いです。教訓的に書き出してみるとしたら
- ユーラシア大陸からの分離で独特の気候が発生
- 温暖⇔寒冷を繰り返してきた
- 現在は氷河期の後の”間氷期”である
といった感じでしょうか。
重要要素を抜き出すなら
日本列島の形成や気候の変動に影響を及ぼしてきた要素をいくつか抜き出して残しておきます。今後の調査内容リストと考えてもいいと思います。
ヒマラヤ山脈・チベット高原の存在
やはりこれがとても大きな影響を与えていそうです。
始まりはプレートテクトニクスによって大陸が動き、インド亜大陸がユーラシア大陸に衝突したことであり、それによって現在の日本列島に該当する部分がユーラシア大陸から離れる。
その際に日本海が形成されて、現在に続く日本の湿潤な気候の形成に貢献した、といった感じでしょうか。
- 日本列島の形成そのもの
- 日本海の形成
- 冬季モンスーンの強化
こういった影響を与える超重要項目と言えそうです。
モンスーン
これもまた、日本の気候に大きな影響を与えている要素として重要そうですね。
超簡単に仕組みを書いておくと
- 夏:陸の気温が高く、海の気温が低い→海から陸へ風が吹く
- 冬:陸の気温が低く、海の気温が高い→陸から海へ風が吹く
この様に海と陸の温度差の影響で、季節によって風向きが変わる「季節風」ですね。
夏には「梅雨」をもたらし雨を供給、冬には日本海から吸い上げた水分を「雪」として供給することによって日本の気候を湿潤にしていると。
まさに日本の気候形成の中心となる要素でしょう。
日本海
先程から出ていた内容のまとめ中心ですが、
- ヒマラヤ山脈の形成と同時に作られた?
- 対馬暖流が流れ込み、日本を温暖にする要因となる
- 冬季モンスーンに水分を供給
今まであまり意識したことがありませんでしたが、日本海の存在も日本の気候の形成にかなり大きな影響を与えていそうです。
発展を考える
人類の尺度でも
本書は日本列島がユーラシア大陸から分かれるまで、現在の気候ができるまでの流れをざっくり追うことができました。
気候変動についても引き続き追うとして、人類の発生から文明形成までの時間軸も尺度として持っておきたいと思います。
日本の気候変動の本を読んだので、まずは日本の歴史から?
関連する読書メモ
・『モンスーンの世界』
日本の気候に大きな影響を与える”モンスーン”についての本です。モンスーンの影響で誕生した、自然観、文化についても言及があり、自然科学の本としてだけでなく面白い本となってします。
・『フォッサマグナ』
これもまた日本の気候の形成にかなり影響を与えて様です。正直なところ、この本だけではフォッサマグナがどういったものかいまいち掴みかねていましたが、今回の『日本の気候変動5000万年史』で補強されたように思います。
気になった言葉
後日調査したらリンクを追加予定です。
- モンスーン
- ヒマラヤ
ひとこと
日本の気候について時系列で遡る本となっており、地球科学系の本を複数冊読んで来た後で読むと今までの知識の振り返りの様に感じられて面白いです。
やはり、モンスーンとヒマラヤ山脈の影響は日本の気候を考える上でとても大きな存在となっているようです。また、モンスーンと合わせて”日本海”の存在も大きいようです。こちらについても少し調べてみます。