何年も前に買ったまま存在を忘れていたので、改めて読みました。
本書では、地政学の基本が図を使って分かりやすく解説されており、最初の1冊として手に取るのに向いている本ではないかと思います。
他に地政学の本を読んだことがないので偉そうなことは言えませんが…
今回は『サクッとわかるビジネス教養 地政学』を読んで、目に留まった要素を残しておきます。

- 著者
- 奥山真司
- 訳者
- -
- 出版社
- 新星出版社
- 発行日
- 2020年06月16日
この本について
どのような本か
ジャンル
地政学
テーマ
地政学の基本を学ぶ
どんな人に向いているか
- 地政学の初学者
注目した要素
- 1
地政学の3大エリア
アジア(中国vsアメリカ)、中東(イランvsアメリカ)、ヨーロッパ(NATO・EU vs ロシア) - 2
基本的な概念
コントロール、バランスオブパワー、チョークポイントとルート、ランドパワーとシーパワー、ハートランドとリムランド、拠点 - 3
日本の地政学的特徴
現在はシーパワー、季節風や海流により外国から攻めにくく独立を維持、中国・朝鮮半島のランドパワーとの対立。ロシアとの北方領土問題や近海の争いを抱えている。
所感メモ
本書を選んだ理由
5年ほど前に購入し、どこまで読んだか覚えていないほど存在を忘れていましたが、最近地政学について学びたいと思い読みました。
当時は地政学について、それこそ「サクッと」学びたいと思い本書を選んだような記憶があります。
基本的な概念
本書が地政学系の本の1冊目ということもあり、本書の序盤で紹介されていた基本的な用語を拾って残しておきたいと思います。
コントロール
地政学の考え方を用いることにより、自国を優位な状況に置きつつ、相手国をコントロールする。現在の覇権国はアメリカであり、以下の4つのオプションで相手国に対する関与のレベルを考えている。
- 完全支配
- 選択的関与
- オフショア・バランシング
- 孤立主義
バランス・オブ・パワー
勢力を均衡させる、秩序を保つメカニズムのこと。
一位の国が三位以下の国と協力して二位の国の国力を削ぎ、抵抗できなくする。
ルートとチョークポイント
- ルート:ここでは大規模な物流の中心となる海路のこと
- チョークポイント:ルートを通過するうえで必ず通る会場の要所(海峡や補給地点)
チョークポイントを押さえることでルートを通過する他国をコントロールすることを狙う。
ランドパワーとシーパワー
- ランドパワー:ユーラシア大陸にある大陸国家。ロシアやフランス、ドイツなど
- シーパワー:国境の多くを海に囲まれた海洋国家。日本やイギリス、アメリカなど
大きな国際紛争は常にランドパワーとシーパワーのせめぎ合い。そして、ランドパワーとシーパワーは両立できず、下手に進出すると国力を低下させる?
ハートランドとリムランド
- ハートランド:ユーラシア大陸の心臓部。ロシア周辺の寒冷で雨量が少なく平坦なエリア
- リムランド:ユーラシア大陸の海岸線に沿った沿岸部。温暖で雨量が多く経済活動が盛んなエリア
リムランドは、ハートランドのランドパワーと周辺のシーパワー間の国際紛争が起こる場所である。
拠点
あるエリアをコントロールするため。拠点をつくり監視や軍隊の設置により影響力を確保する。
沖縄・横須賀の米軍基地、ジブチ共和国の中国の拠点など
三大戦略地域
リムランド(ユーラシア大陸の沿岸部)には三大戦略地域というものが存在する用です。挙げてみると
- アジア(中国 vs アメリカ)
- 中東(イラン vs アメリカ)
- ヨーロッパ(NATO・EU vs ロシア)
これらが該当するようです。
もう日々耳にしない日は無いようなラインアップですね。三大と呼ばれるのも納得だと思いました。
そして、現在の覇権国家であるアメリカはこれら3つすべてに干渉して、台頭して来そうな国を抑え込んでいるとされています。
特に最近直接我々の生活に影響を与えようとしている中東について記述を引用してみます。
石油利権の確保と旧ソ連の南下防止のために、アメリカは中東での新米国家建設に注力してきました。近年、トランプ政権がイスラエル寄りの姿勢を強め、イランとの関係が過去最悪に。後ろ盾として絡むロシアをけん制するためにも中東での大国イランの台頭をおさえることが重要課題です。
『サクッとわかるビジネス教養 地政学』P.70-71より引用
この本自体は2021年に買ったものですので、今年2026年のアメリカによるイラン攻撃については当然扱われることは無いわけですが、その火種がずっと存在していたことが分かります。
そして、そもそもなぜアメリカとイランの関係が悪化したのかについても説明されていましたので、併せてここで覚えてしまおうと思います。
イランが反米になるきっかけは1976年のイラン革命。市場開放と民主化を実現するため、独裁政権とは対立することが多いアメリカですが、イランでは石油利権を求めて独裁政権を支援。そのため、イラン革命で独裁政権が倒されると、一気に反米の意識が高まったのです。
その後、ブッシュ大統領は、イランの核開発を非難し、他国とともに経済制裁を発動しましたが、反米のイランはそれを無視して核開発を続行。オバマ大統領は制裁を緩めましたが、トランプ大統領になると、再び核開発を非難し、経済制裁を強めています。
『サクッとわかるビジネス教養 地政学』P.136-137より引用
2026年のイラン攻撃の目的も核開発関連であるとされていますので、当たり前ですがしっかり地続きの問題がちょうど今爆発しているという状況でしょうか。
この部分に関しては地政学というより、政治・歴史(というにはあまりに最近ですが)の問題のように思いますが、元をたどれば中東が石油の産出地であるという地理的要因から始まっているので地政学の範囲なのでしょうか。
引き続き調べてみたいと思います。
発展を考える
もう少し別の本も読みたい
地政学の本1冊目でした。
あくまで概要にサラッと触れた程度ではありますが、各国が何を目的として動いているのか知るための要素として大変重要な学問なのだと改めて思いました。
この後も例によって、同じような入門書を何冊か読み比べて理解を深めていければと思います。
そして、前々から調べる調べる詐欺状態と化している
- 宗教
- 石油
この二つも併せて考えないと読めない部分が多いことも分かりました。
また、ここで得た情報を一つの軸として各国の歴史を調べる足掛かりとするのも有効ではないかと思いました。
というか、そうしないと上っ面しか掬えなくなってしまうので…
↓「新」が出ていたのでこちらを読みましょう。
関連する読書メモ
まだありません。
気になった言葉
後日調査したらリンクを追加予定です。
- 中東
- 石油
ひとこと
最近中東情勢について耳にしない日はないと思います。そして、ロシアも中国も同様でしょう。
私が本書を買ったのは2021年でした。5年たって世界情勢は動きましたが、結局地政学の本質の部分は変わらず、今もその延長線上にあるということを身をもって知ることができました。
正直「ちょっと古い版かもしれないしな…」と思って躊躇していましたが、読んで正解でした。
↓「新」が出ていたのでこちらを読みましょう。