その山を見上げて

読書と思考を積み上げていきます。

『アート・オブ・スペンディングマネー』──自分らしく使い・貯める

以前「サイコロジー・オブ・マネー」を読みましたので、その流れで本書を読みました。

本書では、お金を使うことに対する考え方のヒントやお金との適切な距離感の作り方といった内容が示されていました。

今回は『アート・オブ・スペンディングマネー』を読んで、目に留まった要素を残しておきます。

書籍情報
『アート・オブ・スペンディングマネー』の書影
『アート・オブ・スペンディングマネー』
著者
モーガン・ハウセル
訳者
児島修
出版社
ダイヤモンド社
発行日
2025年11月
※書影は出版社公式サイトより引用
目次

この本について

どのような本か

ジャンル

お金

テーマ

お金の使い方について考え、お金に囚われ過ぎない人生を歩めるようにする?

どんな人に向いているか

  • 「お金」について考える機会が無かった人

注目した要素

  1. 1

    お金の使い方はアート
    お金の使い方に普遍的な公式やルールはなく、サイエンス(科学)というよりアート(芸術)

  2. 2

    気の持ちようで不幸になる
    お金があったとしても、ひたすら上を求め続ける、ステータスのためにお金を使う、お金を自分のアイデンティティと思いこむ、などの使い方をすると幸せになれない

  3. 3

    静かな複利を信じる
    ゆっくりとした速度で長い時間をかけて着実に資産を増やしていく

所感メモ

本書を選んだ理由

同著者の前作『サイコロジー・オブ・マネー』を読んだため、その流れで本書を読みました。

前作の「経済的自由」の話はかなり心に残ったため今回はどうかな?という思いもありました。

自分らしく使う

本書はお金を使うことについて考える本ですが、取り上げられていることをまとめると

  • 見栄でお金を使うな
  • ステータス性ではなく実用性で物を選べ
  • 自分の内側の基準に沿って金を使え
  • お金を自分のアイデンティティにするな

当然他にも色々示されていますが、主要な内容はこんな感じでしょうか。

結局のところ自己理解・心構えの問題であり、「自分が本当に求めるものは何か?」を明確にしておきなさいということだと思います。

そして、こればかりは本からは学べない、自分で考えないといけない内容ですね。

これを考えずに周囲の人間の価値観に流されて

  • 金があるならこれを買うべき
  • 高級品を持つことでステータスを示す
  • 際限なくお金を求め続ける

こういう生き方をしていると幸せにはなれないぞ、ということが繰り返し述べられており、”他人から”どう見られるかではなく”自分が”何に価値を感じるかが重要となってきます。

 目指すべきは、自分が望むような人生を生きることであり、それを実現するための道具としてお金を使うことだ。

 そのためには、お金に関する信念をアイデンティティと結びつかないようにすることが大切だ。経済的に自立し、幸せに生きるのに十分なお金を持っているのに、さらに果てしなくお金を欲しがるのは、手段が目的化してしまっていることになる。

 お金は、自分らしく生きるための道具であるべきだ。それ自体を目的にすべきではない。

『アート・オブ・スペンディングマネー』P.255より引用

個人的にはこの部分が本書のまとめでもいいかなと感じました。

倹約について

私は最近、節約節約で生きてしまいがちになっていますので、お金使え派閥的な意見にもたまには耳を傾けていきたいと思います。

よく言われている内容ではありますが、節約・倹約に熱心になりすぎてしまう人を嗜めるように「お金を使う力が無くなる」とされることもあります。

そして、長年の節約・貯金・投資の習慣はなかなか「さあ使おう!」といって切り替えられるものではなく、資産の減少を恐れ使えなくなったり、永遠に増やすことばかり目指したりはありそうな話です。

 人がお金に本当に求めているのは、お金のことを考えずに生きていけるようになることではないだろうか。他の大切な何かに集中できるだけの資産をつくり、あとはお金のことばかり考えるのをやめて生きる。

 だが、この最終的な目標は、お金を貯めるという習慣がアイデンティティに深く根付いてしまうと崩れやすくなる、お金への執着から抜け出せず、人生の成功を銀行口座の残高が増えることと考え、適切な場面ですら、うまくお金を使えなくなる。

(中略)

 お金のことを考えないようにすることが究極の目標だったのなら、ある段階で自分がそれを達成したことを認めるべきではないだろうか。目標を達成していながらそれを認めようとしないのは、目標を達成できなかったのと同じくらい良くないことだ。

『アート・オブ・スペンディングマネー』P.247より引用

また、同時に目標を定めないままひたすら節約・貯金・投資をし続けるというのも良くない結末が待っているように思います。こんな世の中なので無理もないとは思いますが。

何にしても

  • お金は道具である
  • お金を貯めることは手段である

という考えは忘れないよう、適切にお金を使えるように練習(というのも変な言い方ですが)はしていく必要がありそうです。

発展先はもう自分の人生?

お金の使い方についての本ですが、結局のところ自己啓発本の一種であることに違いはありません。

というわけで、ここから何か発展させて調べるというよりは「この内容を受けて自分はどうするの?」になると思います。

  • 自分の消費の実態
  • 節約の在り方
  • お金を使うときに何を求めているか
  • お金に人生を支配されていないか

など、今の自分を見つめ直して改めて考える機会にしようかと思います。

関連する読書メモ

・『サイコロジー・オブ・マネー』

本書と結構内容はかぶっていますが、どちらかといえば攻めに近い「お金を稼ぐ」「経済的自由を手にする」というような内容が中心でした。

bookandthink.com

・『DIE WITH ZERO』

これもまた自分の人生のため適切にお金を使う方法を考える本です。個人的にはあまり響きませんでしたが。。。

bookandthink.com

気になった言葉

後日調査したらリンクを追加予定です。

  • 複利

ひとこと

「お金の使い方」に関する本でした。

ただ正直なところ、普段からお金について考えている人にとっては目新しい情報はほぼ無いかと思います。

しかし、「お金の使い方なんて気にしたこともなかった!」という方にとっては人生を変える一冊になるかもしれません。

そうでなくとも節約・投資の文脈でよく聞くアドバイス

  • 見栄消費を避ける
  • 自分軸で考える
  • 人と比べない

など、こういったものをエピソードと合わせて一冊の本として読みたいという場合は手に取る価値はあると思います。